2013年5月24日金曜日

パトス・オープンステージ

 地域カフェで実施されたオープンマイク形式のイベントに参加した。過去3回参加しているカフェコンサートと同じ場、同じスタッフによるもので、「オープンステージ」と称し、スケジュールのない時期にカフェロビーを広く開放し、自由に歌ったり演奏したり、はたまた演じたりするという新企画。
 先週に第1回が実施されたが、別のライブを終えた直後ということもあって、参加は断念。ツイッターやブログ情報で盛況だったことを知り、2回目の今回のぞいてみる気になった。
 開催時間は17~21時だが、途中参加や退出は自由。観るだけなら無料で、何らかのパフォーマンスをする場合、ワンドリンク(100~150円)プラス参加料100円という安価なシステムだ。

 予約、プログラム、出演順もなく、食べ物持込み自由という文字通りフリーな場だが、完全禁煙でPAの類いは一切ない。今月参加した2つのカフェ・フリーライブによく似ている。オープン形式の場は、最近のトレンドになりつつあるのかもしれない。


 17時50分頃に会場に着くと、すでに7~8人の方が座って談笑している。過去のコンサートで顔見知りのスタッフやパフォーマーが大半で、自然に話に花が咲く。
 1組の持ち時間は10分2曲以内で、無用なMCはせずに曲紹介程度で簡潔に進める、という取り決めだった。すでにクラシックギターの方が演奏したそうで、他に始める気配がなく、どんな場でも早く始めるのが好きなので、「では私が演ります」と宣言。ギターを取り出して18時20分くらいから歌い始めた。
 この日の課題は、先日から取り組んでいる「譜面ナシで歩きながら歌う」という難しいもの。PAがなく、会場が比較的広いので、試すにはもってこいの機会だった。

 歌ったのは、暗譜に自信のある「さらば青春」「僕の胸でおやすみ」の2曲。席の間をゆっくりと歩きながら歌い、時には聴き手に直接語りかけるように歌ったが、目でそっと応えてくれる方もいて、初の試みとしてはうまくいったと思う。


 その後、次々と歌ったり演ずる方が登場し、場は切れ目なく続いた。演じている間に小声で会話が続くこともあったが、大きく場の気分を損ねるものではなく、「どうぞご歓談を続けながらお楽しみください」と、宣言するパフォーマーもいたりして、「ゆるくて自由な場」という芯は通っていたように思う。

 用事があって途中で帰る方、遅れて到着する方などいて、場の人数はたえず動いたが、ピーク時には10人を超えた。
 クラシックギター、ギター弾き語り2組、アカペラ、寸劇、三線弾き語りなど、パフォーマーは合計で6組。実にバラエティに富んだ構成である。
 一巡したあと、19時50分くらいから2回目を歌う。ロビー奥に椅子と譜面台を置いた場所は用意されていたが、この日は自分のスタイルを貫くつもりでいたので、1回目同様ゆっくり歩きながら、ロビーの中程をステージ代りにして歌った。
 ギターネックに装着する譜面クリップも準備していたが、結局使わずにオリジナルの「野の花や」「サクラ咲く」を歌う。どちらも譜面ナシで歌うのは初めてで、かなりの緊張を強いられたが、心配していた歌詞のミスはなかった。
 ただ、「サクラ咲く」でG7で弾くべきコードを、E7で弾いてしまった。オリジナルなので、聴き手にはミスと気づかれにくいが、ミスはミス。暗譜での歌い込み不足を露呈した。

 歌い手として多少の課題は残ったが、歌い手(演じ手)と聴き手がほぼ一致していて、通常のステージ形式とは異なる井戸端的な面白さを感じた。異ジャンル間雑談も思いのほか楽しい。これぞオープンステージの真骨頂なり。