毎年欠かさず訪れるサクラの森で、昨年はここでオリジナル曲の「サクラ咲く」も生まれた。60歳の折にはガラスのピラミッドで還暦コンサートもやった。8年前に最初のストリートライブを仕掛けたのもここ。いろいろな家族の思い出が詰まった大切な場所である。
例年よりも10日以上も開花が遅く、そのせいかいつもより赤茶色の葉の数が目立つが、まだ散る花びらはなく、見事な満開状態である。
サクラをみたよ 今年もみたよ
あなたとみたよ 二人でみたよ…♪
昨年できた歌を、知らず知らず口ずさんでいた。ふと気づくと、妻も一緒に歌っている。ともかくも、今年も咲いてくれた。
サクラの森の奥にあるピラミッドトイレに立ち寄ったら、周囲を丸く囲むコンクリートベンチに座り、ギターを爪弾いている人がいる。歌声はないが、譜面を見ながら熱心にコードを進めている。
50歳前後と思しき男性、一瞬話しかけようかと迷ったが、そっと眺めるだけにとどめた。遠くから聞き耳を立てている人がけっこういたので、次回はぜひ私もギターを背負って訪れたい。
1時間近く散策したあと、車で15分ほどの距離にあるレトロなカフェに向かう。最近の地域新聞で紹介されていた店で、焙煎を2度かけたコクのある珈琲が特徴らしい。
店のお勧め珈琲とホットミックスサンドを頼んだが、評判通り、初めて飲む深くて濃い味だった。
帰り際のレジで970円だという。一瞬間違いではないかと耳を疑った。珈琲が330円×2杯、サンドイッチがセット価格で310円。確かに間違いはない。
珈琲豆の高騰で最近は1杯500円前後の店が普通だが、信じがたい破格。ガソリン代をかけてでも来る価値があるかもしれない。いい店を見つけた。