2012年10月17日水曜日

ブーム

 いつの世にもどの世界にも「ブーム」ってのがあると思う。歌に限定しても、「シャンソンブーム」「GSブーム」「フォークブーム」「童謡ブーム」「昭和歌謡ブーム」なんてのを思いつく。
 7年前にNHK札幌テレビの取材を受けたのが「フォークブーム再燃!」という切り口で、その後地元ラジオのフォーク系番組にも出演した。そんなブームが数年は続いたかもしれない。

 しかし、どのブームもしょせんは泡沫のもの。永久に続くことなどあり得ず、いずれは衰退し、消え去りはせずとも、一部のマニアの間で細々と歌い継がれてゆく運命をたどる。
 一世を風靡した童謡ブームも最近はほとんど耳にしないし、銀座や薄野のシャンソニエも相次いで閉店を余儀なくされた。目下隆盛を極める昭和歌謡ブームも、果たしていつまで続くのか。
 また何十年かして何かしらのブームが「再燃」する可能性は否定しないが、そのときに自分が生きているのかさえ定かではない。この世は輪廻転生、諸行無常である。結局のところ、ブームに翻弄されない揺ぎない自己を確立するか、どのブームがきても、しなやかに順応する自己を確立するかではないか。


 などと言いつつ、ひょっとして「ビートルズブーム再燃!」ということに、いまなっているのかもしれない。結成50年の節目を迎え、そんな気配を少し感じる。
決してブームに乗ったわけではないが、2年ほど前にYouTubeにアップした「オブラディ・オブラダ~日本語訳」の演奏動画が、このところ結構な人気。再生回数はもとより、高評価も相次いでいる。

 先日のパトスコンサートで初めて歌った「Let It Be~日本語訳」も反応が非常によく、1週間後にストリートライブでも歌ってみたら、通りすがりの老若男女が多数立ち止まってくれた。これに勇気を得て、目下「ヘイ・ジュード」の日本語訳に熱中している。
 ポップ系洋楽の訳詞には以前から各種取り組んでいて、自分の中ではオリジナル曲作りに近い位置づけである。原曲の持つ意味を忠実に反映させつつ、メロディにうまく合う日本語を探り出して載せる。
 詩を書くセンスが求められる作業で、そこが大きな魅力。よく知られた曲だと、一般の受けも非常によい。ブームは別にしても、当面はビートルズの名曲に光をあて、自分なりのオリジナル訳詞をつけて、いろいろな場で歌っていきたい。
 エッセイ「Oh!昭和レトロ」を連載中の雑誌「オトンO.tone」Vol.48が発売。今月はジャガイモ澱粉から作られた懐かしのお菓子「デンプン飴」について書いた。今回は実物を取り寄せて試食会までやり、力を入れた。