2012年4月7日土曜日

古希式

 先日のNHKテレビで「離婚式」なる不思議な番組を見た。事実に基づく内容をドラマ仕立てにしたとかで、熟年者のそれかと思ったが、主人公は若い男女。意味がよく理解できないのであまり真面目に観てはいないが、最近増えつつあるのだという。
 たいしたお金はかけず、要は「私ら離婚しました」と、親しい友人知人に告知するパーティーのようなもので、今風のイベントであることは確か。ケジメとしては悪くない気もする。


 妻と番組内容についてあれこれ話すうち、「私らも人生の節目で何らかのイベントをやりましょうかね」という話になった。結婚式と銀婚式は無事に終わらせ、還暦イベントも全国から子供たちを招いて自主企画で2年前に済ませたばかり。
 さて次なる節目は?と考えたが、「離婚式」はひとまずご遠慮願うとしても、金婚式までにはしばしの間があり、そもそもそこまで命が持つかどうかが問題だ。
「全国の子供たちを招いて家族会に準じたイベント」となると、やはり還暦イベントに近いものがよろしい。つまりは、二人が同時に70歳になる7年後の「古希」がそれ。
 プロジェクター等を使って二人の70年に及ぶ足跡をスライドショーで表現し、家族で順にちょっとした出し物をやる。場所は借りてもよいが、こじんまりと自宅でやるのも安上がりで帰る面倒もない。

 この案を出すと「いい考えね」と妻が乗ってきた。問題はそれまで命をどうつなぎ、妻との関係を良好に維持し続けられるかどうかだ。しかし、生きる目標としては悪くない。家族の絆を確かめられるという利点もある。
 人生、一寸先は闇だが、せいぜい健康に留意しつつ、粛々と日々を過ごすことにしよう。来るべき「古希式」にむけて。