1990年発売の「JEEP」というアルバムに入っていて、長渕34歳ころの作品と思われる。著作権の関係で歌詞は掲載できないが、ネットで閲覧可能。
内容は高校時代のワル仲間と16年ぶりに出会い、同じ場所で朝まで語り合うのだが、主人公(おそらくは長渕自身)の心に流れるのは昔の関係には戻れない乖離感、寂寥感である。「友達と思っていた奴らが、いつの間にか自分から遥か遠い場所に行ってしまった…」そんな諸行無常の世界感がこの歌には流れてる。
しかし、主人公はへこたれない。「オイラ、寂しくなんかないぜ」「仲良しクラブはごめんさ」と、すっぱり切り捨てる。ここが聞いていて非常に小気味良い。
「自分の理解者はこの世に一人いればよい」とかねてから思っていて、それは我が伴侶であれば最高なのだが、それとて時にはアヤシイものだ。だから安易に「友達」「仲間」を吹聴する方々とは、相容れないものを感じてしまう。そんなに簡単にトモダチやナカマになんかなれませんよ、と。
結局のところ、ヒトは孤独を噛み締めながら生き続けてゆく存在で、その凛とした覚悟がこの曲には漂っている。
初めて聴いた曲だったが、人生の深淵に迫る名曲だと思う。