2010年9月21日火曜日

壁面緑化の恩恵

 数週間前から、風が吹くとコンコンと何かが壁をたたくような音が、家の中でするようになった。これまでもその種の音はときどきあって、外の回転風力計の音だったり、壁に吊るしたスコップや除雪ブラシが揺れる音だったりして、それぞれに対処して解決してきた。
 ところが今回は全く原因が分からない。回転風力計は軸受けを無音の球形に変えたばかりだし、スコップはヒモで固くしばり、除雪ブラシはまだ家の中だ。音は階段の途中から壁際あたりで最も大きくなるが、外に出て確かめても、これといってぶつかるものは見当たらない。

 音は日増しに大きくなり、ごくわずかな風でも鼓をたたくように鳴る。最近では物事に頓着しない妻までもが、「どこからか妙な音がしない?」と言い出す始末。


 正体不明な音が鳴り続けるというのは、けっこう気味が悪い。神経質で被害妄想気味な年寄りならば、「誰かが夜になるとトントン窓をたたくので、眠れない」とでも言い出しかねない。
 どうしても正体が分からず、一時はあの「探偵!ナイトスクープ」に投稿しようかと、本気で考えたほど。その謎が、昨日一気に解けた。
(ひょっとして、壁をつたうツタが、換気口をたたいているのでは?)

 南側軒下に10年前に植えたツタは、いまや南側の壁中を覆いつくし、東壁に回り込んで屋根の頂上まで届いている。南側に換気口はないが、屋根の頂上部分には、パッシブ換気用のφ150換気口が2カ所ある。屋根頂点に達したツタの一部が垂れ下がり、風が吹いた際にその換気口をたたいているのではないか?
「夏の盛り頃から音がし始めた」「日ごとに大きくなる」「まるで鼓をたたくような音」
 成長し続けるツタなら、これら全ての条件に当てはまるし、音が最も大きい階段の真上には、その換気口に直結するガラリがある。犯人はツタに違いない!
 さっそく外に出て点検。ニラんだ通り、風でゆらゆら揺れたツタが、換気口をトントンと楽器のようにたたいているではないか。
 脚立を二つ組み合わせた特製ハシゴを車庫屋根の上に載せ、シズシズと昇って慎重にツタを排除した。地上からの高さが8メートルある我が家の最高部なので、目がくらむほどだが、なぜか高い所は割に好きなのである。

 最も温度が高くなる壁の南東部を深く覆ったツタの恩恵で、記録的な酷暑だったこの夏も、家の中は30度を超えることはほとんどなく、仮に超えてもごくわずか。エアコンも扇風機も買わずに済んだ。
 単純に陽射しを遮るほか、植物の蒸散作用により、壁面温度の上昇を抑制する効果もツタにはあるらしい。この温暖化時代に、タダ同然でよくぞ働いてくれる孝行息子(娘?)である。これくらいの手間はガマンしなくては。
(写真はツタ排除前と後の換気口周辺の様子)