2010年8月24日火曜日

リハーサル

 週末に迫った地域センターでのミニ演芸会に備え、リハーサルに臨んだ。先月やったアトリウムでのコンサートとは会場が変わるためで、今回はステージ付の体育室で行う。
 入ってみると、部屋の形状や内装など、アトリウムとはかなり様子が異なる。キャパが150席とのことで、面積も格段に広い。

 すぐに機材をセットし、まずは1曲歌ってみたが、音の感じもかなり違っていた。歌う位置の後ろがL字形に壁で囲まれていたアトリウムと違い、歌う位置と後ろの壁との距離が遠く、いわゆる「音の返り」がない。
 さらには、壁に大きなヒダのある厚い布製の緞帳が吊ってあり、音が吸われるような印象だ。


 まずは緞帳を全部開けてもらうと、音の響きが少しよくなった。手持ちの簡易PAではさすがに非力なので、別のマイクを簡易PAの前に置き、会場に備付けの大型PAで増幅してもらうと、さらによくなった。
 担当のSさんのほか、代表の方と副代表の方まで現れて、あれこれアイデアを出していただく。そもそもこの会場でソロの弾き語りをやること自体が初めてなので、事務局側も試行錯誤なのだ。

 いろいろ試した結果、マイクは備付けのものを会場の大型PAに直結し、ギターの音だけを持参した簡易PAにつなぐことに決定。ただ、スピーカーの位置が歌う場所のはるか後ろで、しかも軽く5メートルはある高さ。ギターの音は真横のスピーカーから出るので問題ないが、ボーカルの音は全くモニター不可能で、ほとんど勘だけで歌わざるを得ない状況だ。
 しかし、客席で実際に聴いた誰もが、「素晴らしい音だ」と絶賛。ストローク系の曲でも静かな曲でも全く問題ないというので、ここは聴き手第一とし、モニターに依存せず歌うことに決めた。
 40分近くかけてあれこれと6曲も歌い、ようやく結論が出たので急いで撤収していると、担当のSさん(50歳前後の女性)が突然、「菊地さん、当日ぜひ『宗谷岬』を歌ってください」と言う。
 今回は歌う予定がありません、と率直に応えると、前回のコンサートではあの曲が秀逸だった、聴いていて胸に迫るものがあった、と続ける。
 稚内に数年住んでいたことがあるとのことで、その郷愁もあるのだろう。しかし、実は「宗谷岬」はこれまでいろいろな方から「良かった」と言われたいわくつきの曲なのだ。おそらくは、16歳の夏に企てた5泊6日の宗谷岬単独自転車旅行にかけた熱い想いが、歌っていると聴き手に理屈抜きで伝わるのだろう。叙情性の強い曲調も私にピッタリ向いている。

 時間を多少オーバーしてもよい、とまで言われたが、当日配布のプログラムにセットリストを印刷するというので予定曲を伝えたら、この時点ですでに9曲もある。さすがに10曲は多過ぎるだろう、他の出演者とのバランスもある、ということになり、次回は必ずリストに加える、ということで落ち着いた。
「宗谷岬」に限らず、「あの曲はいいですね」と複数の方に声をかけてもらった曲は他にもいくつかあって、「カントリー・ロード」「荒城の月」「いい日旅立ち」「雨が空から降れば」「面影橋から」「赤い花白い花」等々。
 いずれも叙情系の曲だが、今後の目標として、この「複数の聴き手から評価してもらう」という決め歌をじょじょに増やすこと。ひとまずは2桁を目指したい。