2010年3月4日木曜日

フラガール

 ふっと時間が空いたので、1ヶ月くらい前に録画してあった映画「フラガール」をようやく観た。時間に余裕があるのは、やはりよいものである。
 そのフラガール、思っていたよりはるかに素晴らしい作品だった。炭坑の再生としてフラダンスを素人に教え、苦労のすえに事業として成功させる、という実話を元にした物語。
 ラストは大団円だが、それまでのプロセスが自然で、ストーリーに無理がない。ハッピーエンドはあまり好きでないヒネクレ者でも、なぜか許せる。3年前の作品だが、ブルーリボン賞やら日本アカデミー賞やら、いろいろな賞を総なめしている。観ていて2度泣いた。映画で泣くのは久しぶりのことだ。

 何といっても素晴らしいのが、主演の蒼井優。主演をダンス指導役の松雪泰子としている賞もあるが、私はやはり蒼井優が主演に相応しいと思う。
 蒼井優はテレビCMで知ったが、「この子、誰?」と妻に何度か尋ねるうち、すっかり好きになった。決して美人ではなく、はっきり言うとオヘチャ。しかし、意志のあるよい目と表情をしている。そして、実に愛らしい。
 この映画でも随所で存在感のある演技を見せるが、ラストのフラダンスソロは圧巻。ダンサーとしても立派に通用する。役者とは本当にすごいものだ。
 タイプ的には、篤姫で一世を風靡した宮崎あおいにちょっと似ている。私は蒼井優も大河ドラマの主役をやれる逸材だと思う。しかし、どうやら来年の大河ドラマは別の女優がやるらしい。彼女はいまが旬と思うのだが、残念でアル。
(その後の調べで、今年の大河ドラマに出ていることを知る。しかし、今年は初回しか観てないし、ちょい役じゃね…)

 他に脇役として出演の岸部一徳、富司純子、山崎静代(しずちゃん)も光っている。音楽は何とあの世界的ウクレレ奏者、ジェイク・シマブクロ。そうそうたるキャストとスタッフをそろえたものだ。
 監督と脚本は李相日。実はよく知らない。しかし、映画は素晴らしい。それでいいのだ。