2009年12月1日火曜日

人生の店じまい

 仕事のエアポケット2日目。気が抜けてしまったせいか、昼過ぎまで延々寝ていた。取引先からの情報だと、明日夕刻あたりから、再び「恐怖の校正」がやってくるらしい。本当の休息がやってくるのは、その先。束の間の休息なのである。

 メールボックスを開くと「覚えていますか?」というタイトルがある。アドレスの一部に、名字の一部が推測できる文字があり、それを読んでピンと閃いた。
(中学時代の友人、S君では…?)
 大当たりである。44年ぶりの連絡で、よくぞ探し当ててくれたものだ。


 彼とは中2の6月に知り合った。転校してきた私に何かと声をかけてくれ、所属するブラスバンド部へと誘ってくれた。二人とも真面目な気質で、その後の2年間、部活動は一日も休まず続けた。
 趣味としての音楽活動をいまも続けている私に、かなりの影響を与えてくれた人物だと思う。

 メールによると、中学時代に仲の良かった私の名を昨日ふと思いつき、検索してみたそうな。私の名は、どの検索エンジンでもだいたい上位ヒットするので、そこからHPやブログを探し当てたとか。
 ネット社会の進化で、以前では考えられなかった調べ物が、瞬時に叶うようになった。うまく使えば、人生の幅がかなり広がる。
 S君はかなり前に北海道を離れ、いまは首都圏で暮している。偶然だが、同じデザイン関係の仕事をしていて、3D-CGも描いているそうだ。そう気軽には会えないが、せっかくの交友復活なので、当面はネットを介して、旧交を暖めたいと思う。

 還暦を過ぎ、いよいよ人生も店じまいの準備に取りかからねばならぬ。こうして44年ぶりに旧友と懐かしく語り合えるのも、人生の妙味ではないか。しみじみ。