2009年12月11日金曜日

仕事仲間

 昨日夕方、ちょっとした用があって、都心の一等地にある仕事仲間のオフィスに行った。同じ一級建築士で、専門も私と同じ建築パース。以前は仕事の一部を回してもらったことや、技術的な助言をもらったこともある。
 当初は私のように一匹狼の事業形態だったが、その後法人化し、いまや二人の若いデザイーナーを雇い、そして育てている。

 年齢は私よりも一回り以上若いが、どことなく気が合うので、ときどき電話したり、事務所に遊びに行って情報交換したり、互いの事業の愚痴をこぼしあったりする。


 そのSさん、昨年から今年にかけ、2件の取引先倒産に見舞われた。うち1件は新聞でも大々的に取り上げられたが、幸いに回収不能金は生じなかったという。しかし、結構な売り上げが継続的にあったので、そのダメージはまだ残っているとか。
 2006年夏にかなりの額の不渡り手形をつかまされた私だったが、最近はその種のトラブルはない。しかし、金融不況による売り上げダウンは激しく、夏までは去年の半分ほどのペースだった。
 秋になって救世主のように突然の仕事の嵐がやってきて、どうやら去年の7割程度にまで回復できた。まずはよかった。

 人を雇い、都心に事務所を構えているSさんの事情は私よりもさらに厳しいが、創意努力で何とか凌いでいるようで、二人の若い社員の雇用もきちんと確保している。立派な社会貢献で、一匹狼のままの私と比べ、エラいな~と単純に思う。
 春先に首都圏の取引先を運良く開拓し、秋の仕事の嵐にうまく結びつけた私同様、Sさんも本州の取引先が増えているらしい。当然ながら図面はネット経由のデータやり取り。この時期に、アナログ的手法だけにこだわっていると、たちまち干上がってしまう。そういえば、Sさんと知り合ったのも、ネット経由のメールだった。
 さらに私同様、大きな仕事ばかりにこだわらず、小さな仕事も丹念に拾っている。これぞ事業の基本である。

「時間があったら、手伝って欲しいんですが…」と帰り際に頼まれたが、あいにく週末にかかる仕事で、私のスケジュールと完全に重なっている。またの機会に、ということになった。
 あれこれ本音で話し合って、かなり気持ちがすっきりした。家にこもってばかりいず、たまに仕事仲間と話すのはよいものだな、と再認識。
 帰宅後、昼に入った1棟の校正と1棟の新規物件をやっていたら、夕食前にまた携帯が鳴る。例によって首都圏の取引先からで、土曜までにさらに新規物件を3棟やって欲しい、との話。
 こうなればトコトンやりましょう、という気になり、またまた請けた。

 昨夜も未明まで作業し、今日も割に早くめざめ、すぐに作業。途中、しばらくごぶさただった別の取引先から電話。新規物件の引合いだったが、忙しくてとても対応できない。大きな仕事らしかったが、支払いの極端に遅れる取引先でもあり、丁重にお断りした。
 その後黙々と作業し、合計5棟分をほぼ終わらせた。慣れたこともあり、1ヶ月前より、驚くほど作業は早くなった。どうやら12月もこんな調子で暮れてゆきそうな気配である。