その後、太陽が窓から差し込んで室内は暖かくなったが、外気温は昼過ぎでもマイナス1度。いわゆる「真冬日」で、積雪はゼロだが、真冬並みの寒波である。
仕事の校正はまだ入ってこないので、午後からたまっている雑事をあれこれこなす。勤めから戻った妻を車に乗せ、まずは都心にある某ビルに、町内会街灯電気料補助申請に出向く。
書類は仕事の合間にまとめてあり、街灯担当部長も今年で連続3年目なので、大きな戸惑いはない。15分ほどで手続きを終え、その足でカエル狂によるカエル狂のための店、「カエルヤ珈琲店」に行く。
今日の大きな目的は、「第1回カエル自慢コンテスト」の結果を見届けに行くことだった。「カエル同盟」の一員として案内をいただいて、喜んでエントリーはしたが、あえなく選外。
実は全エントリー蛙の作品展は、11月中旬まで2週間店内でやっていた。しかし、例の猛烈な仕事の忙しさで、とてもカエルどころではない。しかし、63蛙ものツワモノの勇姿をぜひこの目で確かめたく、お店のブログ経由で、オーナー宛に懇願メールを出した。
「全作品をぜひ見たいです。作品展終了後も、いつでも閲覧可能なように、作品をファイル化して、永久保存してくだされ」
お店には2度しか行ってなかったが、「貴重なご提案、ありがとうございます」と、すぐに丁寧な返信が届き、ファイル保存化を約束してくれた。打てば響く素早い反応に、年甲斐もなく喜ぶ。客商売はこうでなくちゃ。
座ったとたん、メニューよりも先にアルバムファイルを差し出された。ちゃんと覚えてくれている。アルバムには、見たこともないレア物カエルたちが並んでいる。さすがだ、レベルが高い。
エントリーは一人1カエルが鉄則なので、この酔狂なイベントに応じた遊び心に満ちた客が、少なくとも63人はいるということで、驚くべき数字ではないか。
今日は40年前に学寮の寮祭で私自身が企画した、「カエル大明神」というイベントの証拠写真を持参し、オーナー姉妹に見せてあげた。(というより、見せびらかしに行った)たまたま店内にいた別の客(この方もカエル同盟員)まで巻き込み、しばしカエル談議に盛り上がる。
「決して豪華ではないけど、内装と丁度品のバランスがよく、接客も含めて、とても落ち着く店」と、同行した妻も大満足。そうでしょう、そうでしょう。
返り際、「記念に」と、オーナーから全カエルを縮小プリントしたモザイク風の絵はがき風カードをプレゼントされた。さすがにこれは私の提案ではないが、行き届いた配慮に感心した。
選外だった私の作品が、この絵はがきでは、なぜか中央に配置されている。偶然かもしれないが、ちょっとうれしい。
実は送った「懇願メール」には、別の企画も提案した。詳しくはまだ書けないが、実現の方向で検討しますと、すでに返信が届いている。当然ながらカエル系の楽しいイベントで、カエルを介した奇妙で新しいネットワークが、ジワジワ広がりそうな気配。