2009年12月24日木曜日

新境地開拓か?

 近隣のグループホームでの訪問ライブが無事終了。今年19本目となるライブだが、この年にしてよくぞ歌った。節制して日々の練習を怠らなければ、まだまだやれる。

 この日は平日だったが、仕事はすべて山を越し、進行中の物件も納期は来年早々で、余裕がある。車で5分の距離なので、急な呼び出しや電話にも充分対応できたが、結果として仕事の電話等は皆無だった。
 先方の都合で開始は13時30分となったが、初めて訪れる施設なので、早めの13時には家を出た。
 施設はいつも都心へ行く街道沿いにあり、入ったことはないが、場所はよく知ってる。依頼を受けたあとで調べてみたら、経営主は生前に父がお世話になった施設と同じ社会福祉法人だった。やはり縁があるのだ。
 出来たばかりの施設で、中はとても明るくて広い。会場となる談話室は自然素材が貼られた傾斜天井で、音響条件は最高だった。

 事前の打合せで数曲をみんなで一緒に歌う手はずになっていて、該当曲の歌詞について、担当のHさんと打合せ。予定曲の歌詞はそろっていたが、フルコーラスは歌わないので、飛ばす部分を調整する。
 ソーラン節の歌詞が私の所有分とかなり食い違っていて、配布を中止とする。代案として、私所有の「二人は若い」の歌詞を追加した。


 予定より少し遅れて、13時35分からライブ開始。聴き手は職員を含めて15名ほどだったが、スタートからいきなり手拍子が出て、場は盛り上がった。事前にHさんから「歌に対する反応は、あまり期待しないでください」と聞いていたので、やや面食らった。しかし、反応がないよりあったほうがいいに決まっている。
 以降、そのノリのまま、ライブは順調に進んだ。この日歌ったのは以下の12曲。(※=歌詞配布曲)

「ジングルベル」「高原列車は行く※」「バラが咲いた」「青い山脈※」「雪」「お正月」「いい日旅立ち」「二人は若い※」「知床旅情※」「高校三年生」「ここに幸あり」「ソーラン節」
 みなさん予想外によく歌ってくださった。職員さんも一緒に歌うなど、場を盛り上げてもらうよう、事前にHさんにお願いしてあったのが良かったのだろう。
 これまでの施設訪問ライブで、「一緒に歌う」という部分では、あまりうまくいった経験がなかった。しかしこの日は(いける…)とすぐに分かったので、MCでも充分な間をとり、高齢者のペースに合わせ、全体的にゆっくり歌うよう心がけた。
 一息ついてもらう曲を随所に混ぜるなど、曲の構成にもかなり気を配った。結果として、歌詞配布のなかった「バラが咲いた」「雪」「お正月」「ソーラン節」も、多くの方が一緒に歌ってくださった。

 入居者に大変ノリのいい方が数人いて、曲に関する思い出などを、ライブ中にあれこれ話しかけてくる。MCは元来あまり得意ではないが、今日はそのひとつひとつに相づちを打ち、上手にさばくことができた。これが場をなごませた大きなポイントだった。


 35分ほどでライブ終了。課題のはずだった「アップテンポの曲で聴き手に寄り添う」は、ほとんど意識せずに終わった。そんなことを意識せずとも、聴き手がどんどんすり寄ってきてくれたので、こちらから寄り添う必要がなかったのだ。
 終了後、「楽しかった」「おかげで若返った」と、数人の入居者の方々が近寄ってねぎらってくれる。わざわざ玄関まで見送ってくれる方さえいた。またぜひにと職員の方にお願いされたので、次回はこちらから専用の歌詞カードを準備しようと思う。
 この5年でいろいろな施設を訪れてきたが、ちょっとこれまでないタイプの施設だ。おかげで活動5年目にして、新境地を拓いたような気持ち。
 何が違ったのだろう。私の意識改革か?広くて明るい施設か?はたまた職員の柔軟な対応か?これからゆっくり検証してみたい。