案外大きくて場所を取った本体のほか、なぜかパソコンなみに太い電源ケーブル、接続ケーブル、取説とバンドルソフトなど、一式を小さな段ボール箱にしまった。
この箱には交換した古い内蔵CDドライブも入れてある。つまり、内蔵ドライブの交換により、二つの機材が不要になったわけだ。
実はこの箱には、他にも不要になったパソコン周辺機器を一緒にしまってある。故障したマウスやデジカメ、そしてその付属ケーブルや取説などで、今後とも使う可能性のないものばかりだが、なぜかすぐには捨てられずにいる。
つい先日までは1年前に交換した古いハードディスクや、10年近く前に買った外付けMOドライブなどもしまってあった。箱が満杯になってきたので、古いものから順に捨てている。
_だいたい捨てるフンギリがつくのに、最低1年はかかる。タンスの中で眠る着なくなった衣類を捨てるタイミングと似ているかもしれない。
すぐに捨てられないのは、(まだ何かに使えるかも…?)という、根拠のない未練が心の底にあるからで、長年使い続けてきたという「愛着心」という厄介な代物が、これをさらに脇からしっかりと支える。それやこれやを払拭するのに、ある時間が必要なのである。
ヒンシュクを買いそうだが、死者を記憶の底から消し去るのに、かなりの時間が必要なのとも似ているかもしれない。
机の下にひっそりと置いてある小さな段ボール箱は、私にとっていわばパソコン周辺機器のヒツギのようなものだ。