2009年2月26日木曜日

それでもおひな様

「今年はおひな様飾らないの?」と、昨夜思いついたように妻が言うので、そういえば来週は桃の節句だったなと、さっそく押し入れの棚からおひな様を出し、いつものように2階にある打合せ机の上に飾った。
 我が家のおひな様はごくシンプルなもの。室町風の立ちびなで、長女が誕生した際に東京上野の吉徳大光で買った。内裏雛の2体しかないので、5分で飾れ、5分で片づく。

 娘も孫もいず、夫婦二人きりの暮しだが、やっぱり今年も飾った。伝統行事が基本的に好きな夫婦なのだ。
 折しも陽射しは春のように暖か。人形の向こうでは、我が家の唯一の貴重な「女の子」が、ゆるゆるとネットを楽しんでいる。世情はコントンとしているが、実に平和でのどかな風景である。


 おひな様を飾ったこともあり、来週の「ひな祭り訪問ライブ」に備え、簡単に準備と練習をした。基本的に先日終えたばかりの「春メニュー」に沿ったものだが、叙情系の曲をやや減らし、元気のいい曲を増やすことにした。
 ただ、同じ施設で昨年暮れに歌った際、少しざわついた雰囲気だったせいか、帰り際にあるヘルパーさんから、「次回はじっくり菊地さんの歌を聴きたい」とも言われている。施設の職員にターゲットを絞ると、自然にそうした叙情系の流れになるのだが、職員はあくまで脇役。難しい選択だ。
 最近考えているのが、施設のヘルパーさん(職員)だけを対象にしたライブのこと。介護施設の職員さんは、みなさん疲れている。高齢者の面倒を見るという仕事は、たとえ仕事であっても、並大抵のことではない。

「菊地さんの歌で癒されているのは、何より私たちです」と、以前にも言われたことがあり、ずっとそのことを考えている。
 もしやるとすれば、自宅を使って週末などに「叙情ライブ」を定期開催することだ。職員さんには休暇をやり繰りし、来ていただく。妻の了解はすでにとってあるのだが、いよいよ具体的に考えようか。