2009年2月17日火曜日

商売の原点

 午後6時から某作家協会記念誌の最終打合せが都心であるので、ついでに紙屋に寄り、表紙に使う用紙を調達しようと、早めの午後4時に家を出た。近頃はたいていの用事が近隣で済んでしまうので、なかなか都心に出る機会がなく、なるべくまとめて済ませるのが時間とお金の節約になるというもの。
 外はここ数日の春陽気はどこへ?といった感の厳しい吹雪。昨日から厳しい真冬日の連続で、自宅近隣のアメダスは明け方にマイナス11度近くを記録した。寒さの揺り戻しというヤツか。

 最寄りのJR駅まで1.7キロの道のりだが、歩くのが本当に辛かった。いつもなら迷わず都心まで車で行くが、あいにく今日の打合せ場所は某居酒屋。アルコール抜きでもよいが、どうもそうはいきそうにない雰囲気である。
 なんとかたどり着き、JRで札幌にむかう。都心は風があまりなく、駅からまた1.7キロほど歩いてなじみの紙屋に着いた。
 事前にネットで充分に下調べをし、テストプリントも重ねていたので、目的の用紙はすぐに見つかった。手持ちのサンプルが古く、欲しい用紙はすでに廃番で代替品に変わっていたが、店の倉庫にうまい具合に旧タイプの在庫があった。
 製本とプリンターの規格の関係で、「216×310」というA4を一回り大きくした半端な寸法を裁断してもらう。規格外品なので、てっきり中1日置いて納品かと思いきや、「5分ほどでできます」とのこと。
 サンプルを一見してすぐに紙の規格を調べて探し出し、その場で見積りを出し、裁断までしてくれたのはうら若き女性。キビキビとした動作と応対は、非常に好感が持てた。

 この紙屋、「ペーパーショップ・サクマ」という札幌ではたぶん老舗。9年前、同様に自力出版した際にも、小さな仕事であるにも関わらず、親身になって相談に乗ってくれた。商売の原点を見るようだ。
 紙屋で予想外に時間を食ってしまい、打合せには10分遅刻。いつもお世話になっている協会代表の先生から労をねぎらわれたが、ほぼ終わったと思っていた編集作業に、多少の追加が出てしまった。
 句読点の抜けや、ちょっとした言い回しの修正などの再校正。そして最も大きいのは、A4版4ページ分の転載原稿の追加である。記念誌はA5版で編集しているので、全体を組み直すと、おそらく8ページは増えるものと覚悟しなくてはならない。
 転載原稿の編集作業は案外手間をくうことがすでに分かっているので、ちょっと頭が痛い。

 ページ数は増えても、予算は昨秋に打ち合わせたままで変わらない。このご時世なので、それも仕方がないこと。日頃お世話になっている先生でもあり、仕事があるだけマシである。
 その埋め合わせなのかどうかは分からないが、この夜の飲食代はすべて二人の先生方が払ってくださった。最近、外で飲む機会はほとんどないので、わずか中ジョッキ2杯でかなり酔った。やっぱり酒は家で飲むに限る。

 帰路、またまたトボトボと雪道を歩く。風も雪もおさまり、来るときよりはかなり楽。今日は合計で8キロほども歩いた計算。さすがにくたびれた。