2018年7月21日土曜日

図書館にも電子図書

 新聞やネットで書評などを見つけ、興味を惹かれた本は札幌市図書館の蔵書検索システムでチェックし、「マイ図書館〜マイ本棚」という自分専用のエリアに情報を保存しておく。
 札幌市民か札幌市内に勤務する人であれば登録できて、図書館にある全ての本が検索可能だ。そのままネットで予約し、近くの地区センター図書館を指定すれば数日で取り寄せてくれ、しかもメール連絡までくれる。
 本の数や置いてある場所、貸出状況も一目瞭然で、受賞直後の人気図書を避ければ、たいていの本は楽に借りることができる大変便利なシステムだ。
 先に触れた「マイ本棚」には常に数冊の情報を入れてあるが、最近読んだ湯本香樹実の「夏の庭 The Friends」は24年前の作品だが、大変おもしろく読んだ。
 小6の3人の男の子が主人公で、近所の独り暮らしのおじいさんをめぐるひと夏の物語である。ジャンル的には児童文学だが、日米の4つの文学賞を受け、相米慎二監督で映画化もされている。

 ストーリーの詳細は省くが、少年からオトナへと変貌するごく短い時期の多感な精神の移り様を巧みに描いていて、久しぶりに小説を読んで泣けた。主人公の少年に50数年前の我が魂が喚起し、死を間近にしたおじいさんの生き様に今の自分が重なった。
「世界は凹んだ部分を埋めるように飛び出す部分があり、全体が平たくなるように出来ている」「忘れてはいけないことを書きとめて、ほかの人にも分けてあげる」
 作品で語られるこの世界観は、小説の中で読んだのは初めてのような気がする。


 作者は私より一回り若いが、気になって他の本も調べた。すると、6年前に書いた「岸辺の旅」という本が見つかった。
 この本、なんと電子図書である。登録してあれば簡単に借りられるようで、MacやWindows、iOSやアンドロイドなどで閲覧可能。

 さっそく借りてみたが、体裁は以前に買った「火花」と全く同じだった。電子図書は計3冊まで同時に借りられるようだ。期限は紙媒体の半分で1週間。延長も可能だが、「岸辺の旅」の場合は閲覧期限が2018/11/30となっている。
 さらに調べると、札幌市図書館では現時点で6,238冊もの電子図書が閲覧可能だった。まさか公立図書館にまで電子図書が進出しているとは驚きだ。時代の変化は早い。