2017年10月20日金曜日

3度目の壁は越えたか?

 札幌郊外のカフェで歌った。今年5月末に知人の紹介で初めて歌わせていただき、2ヶ月後の7月末に2度目、さらに3ヶ月後の3度目が今日だった。
 前2回は雨模様の天気だったが、今回は雨の気配はない。しかし、前2回と同じく風邪気味で喉には不安がある。幸いに声は出て、高音も普通に出た。問題は明け方に発生する咳。ライブ中に咳き込んでは歌にならない。ハチミツ大根を中心とした懸命の調整で、どうにか封じ込める。

 開始45分前にお店に着き、ただちに機材をセットする。3度目なのでプロジェクターやスクリーンを含めた設営にも慣れて、短時間で終えた。保温第一のため、衣装はインナータイツにウールセーターという完全なる冬モード。
 入口付近の席に小学校の恩師が座っていて驚いた。場所が近いので初めて案内状を送ったが、まさか来ていただけるとは。


 予定通り14時からライブ開始。お店の常連が集客の中心なので、短期間に3度のライブとなると、さすがに聴き手の数は少なめだった。しかし、依頼はあくまで先方の都合と要望によるもの。歌い手としては与えられた条件のもとで、粛々と歌わせていただくのみだ。
 いつものように私のセレクションで前半が始まる。40分弱で10曲をまず歌った。
(※はリクエスト)

「小樽のひとよ」「私は泣いています(初披露)」「白いブランコ※」「小指の想い出」「恋人よ」「白い冬」「エーデルワイス」「男と女のお話」「舟唄」「ろくでなし」
 いざ歌い始めると声はよく伸びて声量も充分。喉の不安は吹き飛んだ。過去2回との重複を避けた関係で、ややマニアックな選曲となったが、場の反応は悪くなかった。
 3回連続で参加の方もいるので、曲にまつわるMCも多めにし、聴き手との交流を心がける。他の場と嗜好が少し異なり、新しい曲が好まれる傾向にあるので、POP系や洋楽系を中心にし、演歌系は少なめにした。
「白いブランコ」は店主のK子さんからの持ち越しリクエスト。前回もらっていたが、立て込んでいるうちに歌い忘れたので、今回は前半に入れた。


 これといったミスもなく、普段通りのキーで歌って前半を終える。休憩時間はいつものように聴き手の間を回り、リクエストを募った。
 14時50分くらいから後半開始。40分強で11曲を歌う。
(◎はコラボ、全てリクエスト)

「銀座の恋の物語◎」「冬が来る前に◎」「思い出のグリーングラス」「地上の星」「ああ上野駅」「涙そうそう」「レット・イット・ビー」「桃色吐息」「雪が降る」「竹田の子守唄」「吾亦紅」
 出だし2曲は、前回初めてコラボしたお店の常連Sさん(女性)とデュエット系の曲を共に歌う。今回もリハなしの本番一発勝負だったが、普段コーラスをやっている方ということもあり、無難にやり終えた。

 その後、リクエスト曲を順に歌う。ここでも演歌系は少なめ。順調にこなして予定通り15時30分にラストの曲を歌い終えたが、なぜか最前列に座った女性から「吾亦紅が聴きたかった…」との声があがり、名残惜しい様子。
 そこで「お帰りの準備をしつつ、お聴きください」と前置きし、前奏間奏を省略して歌って差し上げたら、感極まって涙を流している。心臓に大病を抱えているそうで、前半に貰った「思い出のグリーングラス」と「吾亦紅」いずれも死に関わる曲で、女性の心境を暗示している。
 終了後もしばし残ってくれて、「いいものを聴けた。来てよかった」と、たいそう喜んでいた。

 どのような場でもそうだが、3度目の依頼には大きな壁がある。特に短期間に依頼が集中した場合、多くはこの壁で依頼が途切れるが、果たして今回はどうなるのか?
「また来年、よろしくお願いします」と店主のK子さんは言ってくれたが、それが実現するか否かは、神のみぞ知る領域の話である。