2017年2月6日月曜日

歌い手の順応性

 先月に続き、介護予防センター関連の場でまた歌った。札幌南東の清田区にある会場は自宅から遠いが、先月歌った場所には近い。前回通ったバイパスの札幌新道を今回も使い、50分で難なく着いた。
 同じ介護予防事業で担当係員も同じだが、聴き手は全く異なる。市営住宅系の町内会を軸とした住民組織であることは共通していた。

 聴き手の集まりがやや悪く、予定から少し遅れた10時13分から開始。およそ1時間で18曲を歌う。
(※は二択リクエストで、カッコ内は選ばれなかった対決曲)
《セレクトタイム》
「釜山港へ帰れ」「なごり雪」「川の流れのように」「※矢切の渡し(浪花節だよ人生は)」「仰げば尊し」「※つぐない(時の流れに身をまかせ)」「夜霧よ今夜も有難う」「月がとっても青いから」「宗右衛門町ブルース」「青春時代」

《リクエストタイム》
「小樽のひとよ」「桃色吐息」「君こそわが命(初披露)」「大空と大地の中で」「氷雨」「落陽」

《うたごえタイム》(歌詞指導)
「上を向いて歩こう」「青い山脈」


 年代や嗜好などは似ていることが予想されたので、前回の構成を基本に、反応の弱かった曲には修正を加えて臨んだ。

「宗谷岬」を「なごり雪」に変更。
・「愛燦燦」を「川の流れのように」に変更。
「虹と雪のバラード」を「宗右衛門町ブルース」に変更。

 前半に純粋なフォーク系の曲が皆無だったので、今回は季節感も考慮して「なごり雪」を入れた。川の流れのように」は、白石イベント広場での反応の良さから選択。演歌系の曲に対する支持が強いので、POP系の曲を「宗右衛門町ブルース」に差し替えた。
 聴き手は前回同様に介護認定を受けていない65歳以上の地域住民。およそ15人ほどが集まったが、珍しく男性が1/3ほどを占めていた。
 1曲目から熱い拍手が湧き上がり、上々の滑り出し。曲間に入れたMCへの反応もよく、随所で声がかかって、非常に歌いやすかった。前回の反省で加えた修正は的を射ていたようで、いわゆる「ハズレ」の曲は皆無だった。
 途中2ヶ所に入れた「二択リクエスト」も、場を盛り上げるアクセントとして効果的だった。前半締めくくりの「青春時代」では、自然発生の手拍子も飛び出す。



 後半のリクエストタイムは今回に限って事前リクエストはなく、その場で直接受けることになっていた。普段使っている315曲入りのリクエスト用紙を10枚準備し、ライブ前から参加者に配って、「後半にリクエストをお受けしますので、選んでおいてください」と告げた。
 考える時間を充分に置いたこともあり、リクエストが途切れることはなかった。前半に「なごり雪」を歌った効果か、フォーク系のリクエストも2曲でた。時間切れで歌えなかった曲もいくつかあった。

 ラストに全員で歌う曲は打合せのミスもあって、歌詞カードの準備がない。急きょその場で歌う曲を決めることになる。よく知られていて、曲間での歌詞指導が容易な2曲に落ち着く。ここでも手拍子が自然に飛び出し、にぎやかな幕切れとなった。
介護予防事業」という未知の場を2つ続けてこなしたが、予想した通りデイサービスよりもさらに嗜好が新しく、バラエティに富んでいる。しかし、路上系ライブで使っているリクエスト用紙を事前に配れば、充分聴き手の要望に応えられることが分かった。

 最近になって知ったが、2015年の法改正で要支援1〜2の介護事業のうち、予防訪問介護と予防通所介護の2つが介護保険対象から外れ、段階的に市町村単位での介護予防事業へと移行するのだという。2017年度がその最終年度になるようで、今後はこうした介護予防関連の場が増えることが予想される。
 時代と共に、歌に要求されるスタイルも目まぐるしく変わる。今後はただ歌うだけでなく、歌い手の的確な順応性も問われてゆくだろう。