長男の娘なので、お雛様も我が家にあるものをそのまま転用しよう、という考え。娘が誕生するたびに新しくお雛様を買い揃える考えもあるかもしれないが、長男のお嫁さんもずっと実家に飾ってあるお雛様でひな祭りを祝ってきたという。自分の娘に新しいお雛様を、という想いは特にないようだ。
父が次男だったこともあり、我が家のお雛様は代々伝わってきたものではなくて、長女が生まれたときに新しく買ったもの。先月来訪した娘には、お雛様を孫娘に受け継ぐことを直接告げた。
「いいよ、あげるよ。ウチのお雛様、顔が上品で好きだよ」と、娘も快諾。かくして小さな伝統が次の世代へと受け渡された。
まだ10日ほどあるが、今年はお雛様を早めに飾ることにした。場所はさんざ迷ったあげく、結局いつもの階段を上り詰めた2階カウンターテーブル上に落ち着く。
1階居間に飾ることも考えたが、好奇心旺盛な孫娘は最近になって、低い場所にあるものを手当たり次第に引っ掻き回すようになっている。さすがに階段はまだ上れないので、2階なら安心できる。
受け渡しにあたり、何かひとつ新しい飾りものをと考え、ネット通販で探し当てた丸い和紙製のぼんぼりを2個買った。少し小さいが、お雛様の雰囲気には合っている。
そのほか、左右には花と小さな観葉植物を置き、中央には菱餅ゼリーの袋詰めを並べる。いままで一度もやってなかったが、赤い毛氈にアイロンもかけた。記念写真撮影用に正面から光をあてるスポットライトも取付けた。
祝宴は我が家でやることになり、料理はまだこれからだが、初節句への準備、ひとまず整った。