指定時刻30分前の13時に病院に着くと、すでに長姉が待ち構えていた。その場で月末のレントゲン検査の予約をまず済ませる。
車椅子対応の施設の車はまだ着いていなかったが、薬局に行ってむこう2週間分の薬をもらう。高血圧やら精神安定剤など、計5種類の錠剤を渡されたが、うち4種類は以前から施設指定の医院で処方されていたものだった。
どんな薬を飲んでいるのか知らされてなかったので、いい機会と内容を説明してもらった。96歳の高齢者にとってどれも必要と診断されたものと思われるが、それにしても多いな…、と率直に思う。母よりは30歳若いが、常用している薬は皆無なので、なおさらそれを感じる。
その後、神経科に回って認知症の診断結果の予約をする。どのようなものか分からないが、入院時に検査を勧められたので初めて診てもらったが、結果は来週に判明する。
1階ロビーに行ってみると、顔見知りの施設職員が車椅子持参で待っていた。その場で施設に預けてあった健康保険証を受け取って、会計で入院費用の精算を済ませる。手術をした割に思っていたよりも安く、4万4千円ほど。
事務手続きを全て終わらせ、5階の病棟に行ったら母はすでに着替えを終え、長姉が私物一切をまとめてくれていた。
看護師さん一同に挨拶を済ませ、ようやく退院となる。時計はすでに14時を回っている。長姉が病院と施設の職員さんにお礼の菓子を配ってくれていた。このへんの気配りが私は苦手なので助かる。
母をまず施設の車に車椅子ごと載せ、先に出発してもらった。残った姉と細々した立替え費用の精算を済ませる。(母のお金は全て私が管理している)
地下鉄で帰宅する姉と病院で別れ、私は車で施設に向かった。責任者の方に再度挨拶をし、直接担当する職員さんと、今後の対応について細かい詰めをする。
食事はこれまで通り自力でやれるが、日中のトイレは介護補助つきに変更になり、入浴は訪問入浴サービスによる居室内入浴に変更になる。夜のトイレがどうなるのか、現時点で結論は出なかった。一晩に一度の声かけで果たして用が足りるのか、はっきりしないのだ。
施設側の手がかからないのは、寝る前にオムツにしてしまうことだが、母の性格だと拒絶反応を示す可能性がある。悩ましい問題だ。
ともかくも、無事に退院できた。ひとつ山を越えたことは確かだ。