2015年3月10日火曜日

検査食では歌えない

 3月最初のチカチカパフォーマンスに参加。翌日には1年ぶりの大腸内視鏡検査を控えているので、前日は検査食で過ごさなくてはならない。力の入るライブは避けるべきだが、記録を調べると、昨年も検査前日に1時間限定でチカホで歌っている。
 幸いに、今日のエントリーは私一人。時間は自由にやり繰り可能なので、短めのワンステージ限定で演ることを決意。エントリーは前日ぎりぎりになってからだった。


 病院の指示通り、朝食は食パン1枚にハチミツを塗っただけ。いつものような牛乳は飲めず、指定された粒のないアップルジュースを飲む。
 昼食と夕食は病院で購入した検査食。今回からメニューが少し変わったが、低カロリーであることに変わりはなく、2食合わせてわずか538Kcalしかない。朝食分を合わせても、おそらく普段の1/3程度。まあ、検査なので耐えるしかない。
 それでも会場の北4条広場に着くまでは、まだ元気があった。14時ちょうどから歌い始めたが、この日は昨夜からの激しい雨が降り続き、途中から雪に変わるという荒天。地下鉄内も閑散としていて、出歩くのは本当に用事のある人だけ、といった印象だった。
 歌っても歌ってもまるで手応えがなく、立ち止まる人はごく少数。しかも滞留時間が短く、1曲終わるとすぐに去ってしまう。


 歌い進むうち、次第に脱力感に襲われた。手応えのなさからくる疲労感に、カロリー不足が拍車をかけた。
 休憩なしで50分くらい歌ってそろそろ撤収どきと考え、それまでのフォーク&ポップス路線をガラリ変更し、演歌の「釜山港へ帰れ」を歌ってみた。2日前のデイサービスライブで受けた春向きの曲である。

 すると、それまでの動きがウソのように、かなりの人が集まってきた。これに勇気を得て、続けざまに演歌を歌う。1曲毎に拍手歓声が湧き、どうにもやめにくい雰囲気になってしまった。
 身体は疲労困憊で、空腹で腹は鳴り、力が入らない。それでも求められるままに歌い続け、結果として75分で19曲を歌った。
「麦の唄」「サボテンの花」「いい日旅立ち」「春雷(初披露)」「なごり雪」「赤いスイートピー」「亜麻色の髪の乙女」「花の首飾り」「木綿のハンカチーフ」「宗谷岬」「夜が明けたら」「男と女のお話」
「釜山港へ帰れ」「夜霧よ今夜も有難う」「つぐない」「ラブユー東京」「宗右衛門町ブルース」「夜霧よ今夜も有難う(リクエスト)」「カサブランカ・ダンディ」

 これほど消耗したライブは過去に記憶がないほどで、次回以降は検査前日のライブは避けるべきだと悟った。

 それでも演歌に路線変更してからの7曲は、聴いてくれた方々との交流などもあって、なかなか楽しい時間だった。「夜霧よ今夜も有難う」は非常に受けて、最後になって「もう一回歌って」とリクエストされたほど。
 聴き手の中に、以前にも別の広場で聴いたという女性がいて、「トムノさんには、やはりバラード系の曲が合ってますよ」と言われた。ありがたく記憶に留めたい。