ライブは何が起きるか分からない、ある種の修羅場なので、電子譜面やカポタスト、そしてピック類は必ず予備を持参する。
終わったあとなので実害はなかったが、過去に作った3つの革製サムピックのうち、割と使いやすいタイプだったので、さっそく作り直した。
調べてみたら、最初に作ったのは2年半ほど前のこと。アルペジオ奏法には欠かせないアイテムだが、市販品には満足できる品が見つからず、やむなく自作を決意した経緯がある。
改良を重ねて、いま常用している3つ目の作品は抜群のフィット感で、もはや手放せない存在だ。
作り方はこれまでと同じで、幅13〜15ミリ長さ10センチほどの本革(ベルトの廃材を再利用)を使う。厚さは3ミリが絶好で、確かなホールド感が得られる。これより薄いと親指にはめて弾いた時にぶれる。
割れた0.5ミリ厚のフラットピックを加工し、大型ホチキスで皮の中間部に止める。ピックの部分だけはマークをつけて予めキリで小穴を開けておく。親指に巻いて寸法を仮決めし、ボンドで固定。角の部分はヤスリやカッターで丸く磨く。
左側は2年半使った作品 |
これまで使ってきた作品より幅がわずかに狭く、微妙に感覚が違うが、使い続けるうちに徐々に馴染んできた。
ポイントはピックを固定する際、先端をわずかに前向きにすること。個人差はあろうが、私の場合はこの位置が爪の感覚に近く、最も弾きやすい。
「使えば使うほど指に馴染んで弾きやすくなる」のが、革製サムピックの妙味。革は合成ではなく、本革が必須。たぶん市販品には存在しない、唯一無二の品である。