最近になって工事が終わったが、北側に新たにカフェが完成して、使えるスペースが狭くなった。広場からカフェへの出入り口もあり、これまでとは人の流れが明らかに変わる。
新たな環境下で、果たして従来通りのパフォーマンスが可能なのかどうか?事前に試験運用してみて、問題点を探るのが今回のパフォーマンスの目的である。
事務局の方が検証のため、立ち会ってくれることになる。現地であれこれ打合せがあり、やや遅れて14時40分から歌い始めた。
第1ステージは以前より歌う位置を5メートルほど西に下げ、マルチビジョン前に陣取った。カフエ出入口を左に見ながら、同時に通りにも正対する位置である。
あくまで実験パフォーマンスなので長くは歌えない。30分を目安に、以下の9曲を歌った。(◎はオリジナル)
「恋のバカンス」「時計台の鐘」「真赤な太陽」「誰も知らない夜◎」「サクラ咲く◎」「ハナミズキ」「河は呼んでいる」「ゴンドラの唄」「青春時代」
休日の集客はいまひとつなのがいつものパターンだが、この日は1曲目から人の集まりがよかった。カフェに出入りする人々が目をむけてくれ、並びながら拍手をくれる方もいたほど。
強い曲調の歌もカフェ内でチェックした結果、音はあまり気にならないとの判断である。途中でカフェの店長らしき方が確認に現れたが、特にクレームもなく終了。あまり期待してなかったがCDも売れ、むしろ普段の休日よりも手応えはよいほどだった。
15分ほど休んで、15時25分から第2ステージ開始。担当の方からの要望で、カフェを背にし、大通り側に向かって斜め45度の方向で歌うことになった。
立ち位置は大差ないが、通りに正対せず、縦長の柱が邪魔して見通しは悪い。歌は聴き手から歌い手の姿が見えていることが大事で、苦戦が予想されたが、あくまで実験的パフォーマンスである。
およそ25分で以下の7曲を歌った。
「時の過ぎゆくままに」「バス・ストップ」「あなたならどうする」「ダスティン・ホフマンになれなかったよ」「グッド・バイ・マイ・ラブ」「ジョニィへの伝言」「抱きしめて◎」
予感は的中し、第1ステージとは打って変わって集客は激減した。カフェに背を向けたスタイルのせいか、出入りする人々も関心を示さない。これといった手応えのないまま終了。
「最初と比べてどんな印象でしたか?」と担当の方に問われたので、「聴き手に届かない感じです」と、率直に答えた。
聴き手が減ったのは位置や方向以外に、単に時間の経過によるものかもしれない。この種の変化は普段のライブでもよくある。
5分ほど休んで、すぐに第3ステージを始めることになった。立ち位置をワンブロック南にずらし、カフェ出入口から完全に姿を消すと同時に、PAも柱の陰に隠した。歌う方向は通りに正対させた。
外気温は28度ほどだったが、熱のこもるハンチングはやめて頭にはバンダナ、首にはシャツ襟の外側にタイを巻きつけ、水代わりにポカリを準備して対策は万全。おかげで疲れを感じることはなかった。
およそ25分で以下の8曲を歌う。
「季節の中で」「恋の季節」「空港」「ブルーライト・ヨコハマ」「どうにもとまらない」「男と女のお話」「ランナウェイ(初披露)」「風来坊」
第1と第2の折衷案のようなスタイルで、通りに正対してはいるが、左右に壁と縦長の柱があり、視野は狭い。それでも第2ステージよりは立ち止まる人が増えた。しかし、近寄って案内状をとったり、CDを手にするまでには至らない。
そのまま16時20分に今日の予定を終えた。担当の方によると、両側に壁と柱があるせいか音の反響が最も大きく、好ましくないとの判断だった。
(カフエの営業面に支障があるか否かが、今回の大きな判断材料)
時間の要素を無視すれば、第1ステージの立ち位置と方向が、見通しがよくて通りを往く人々の目にとまりやすいことは明らかだった。
いちおうの結果は出たが、今回はあくまで休日モードでの実証試験である。これが平日だとどうなるのか、次回はその平日モードでの検証を試みる。今日の結果から、第1ステージのポジションを採用。PAのボリュームをやや絞ってやることになった。