2013年7月13日土曜日

百合が原青空コンサート

 近隣の大規模公園で実施された「百合が原・青空コンサート」に出演した。依頼は東日本大震災被災地支援系の市民団体「ふるさとを歌う会in札幌」経由でやってきた。たまたま場所が自宅から徒歩20分、四季折々散策に訪れる地なので、一も二もなくお受けした。

 実はこの公園ではちょうど4年前に「百合が原 "森の七つの椅子"」と題したインスタレーション型企画ライブを仕掛けている。さらには、5月末に実施された今年最初の青空コンサートも見届けている。徒歩圏ということもあるが、なにかと縁があるのだ。


 数日前までは雨の予報だったが、抜けるような青空が広がって絶好の日和。13時ちょうどに公園に到着。駐車場から機材を積んだカートを引き、会場となる北東の東屋へと向かう。
 予定では東屋を背にし、芝生を客席とみなして歌うことになっていたが、近づくとステージは東屋裏の林間に設営されていた。30度に迫る暑さということで、急きょステージと客席を変更したのだという。

 さらには、打合せにはなかった立派なPAも準備されている。近隣のモエレ沼公園の設備が、前日ぎりぎりになって借りられたらしい。「PAなし、電源なし」の条件は事前に知らされていて、どうにか発電機だけは用意していただいたが、PAは各自が準備することになっていた。
 ともあれ、嬉しい誤算だった。挨拶もそこそこに、マイクスタンドと電子譜面台をセット。ギターのライン入力もOKで、15分ほどでリハーサルを終える。


 13時20分くらいに岩見沢からキーボード演奏の高柳佳代子さん、由仁から鼻笛&ノコギリ演奏の互久楽さんが到着。モニターやマイク本数の件でちょっと手間取ったが、開始10分前には全ての準備を終えた。
 14時ちょうどにコンサート開始。音出しの段階から公園のあちこちから人々が集まってきて、開始時にはすでに100名を超えていた。駐車場からの順路要所に「青空コンサート14~15時」と、矢印つきの立看板が予め準備され、好天や大型PAの準備と相まって、人が集まりやすい条件が整っていた。
 高柳さんの演奏が予定より少し早く、14分で終わる。素早く転換し、予定より8分も早い14時15分から歌い始めた。


「老若男女むけの癒し系の曲を」と、事前に公園側から要請があり、告知ポスターにも「優しいひと時をお届けします」と明確に記されていた。その路線に沿いつつ、さらには「百合が原公園」「青空」を意識して、花やアウトドア系の曲を中心に構成。以下の6曲を歌った。

「おおブレネリ」「さんぽ(となりのトトロ)」「バラが咲いた」「草原の輝き」「エーデルワイス」「チキ・チキ・バン・バン」
 1曲目はMCなしの無伴奏で「ヤッホ~」から入るという趣向。いわば歌による挨拶だ。終了後に自己紹介し、2曲目以降はMCで公園と曲とのからみを説明しつつ、歌い進んだ。歌と共に聴き手はさらに数を増し、東屋内は座りきれずに立ち見状態となる。
 あふれた人々は左右の芝生に座って聴いていたが、自生する大木が程よい木陰を作ってくれて、時折吹く風が心地よい。
 あとで知らされたが、公園側の正式カウントによると、聴き手は200人を超えていたという。
(集客数を市に報告するため、イベント毎に正確に数えると思われる)


 人数の割に聴き手は押しなべておとなしく、歌っていて不安になるほどだった。モニタースピーカーがなく、自分の声が確認できないことも不安に拍車をかけた。
 ただ、歌い終わると1曲毎に静かだが確かな拍手をいただけたので、届いてたのは間違いない。この地区では介護施設や地区センターなどでも数多く歌っているが、どの会場でも似たような反応である。それが地域の特徴なのだろう。
 予定ぴたりの17分で終了。14時35分からラストの互久楽さんの演奏となる。ところがあまりに進行がスムーズに進みすぎ、14時55分に予定分が終わってしまった。
 早めに終わるのかと思いきや、互久楽さん咄嗟の判断で、予定にない2曲を追加演奏。ぴったり15時に終了した。さすがである。

 予想外の暑さで急きょ場所を移動し、「青空コンサート」というよりも「木漏れ日コンサート」といった感じになったが、途中で立ち去る市民がほとんどいなかったのが、演奏者としては何より嬉しい。
 私自身の喉は決して万全とは言えない状態だったが、公園側にも大変喜んでいただいた。少人数の演奏でも条件さえ整えば、それなりに演れるという自信になった。


写真は百合が原公園公式サイトより