2013年7月27日土曜日

過去最高?のライブ

 午後から少し遠い場所にある介護施設に歌いに行った。ネット経由でかなり前から依頼されていた、全国組織で運営している施設。札幌市内にも多数あって、調べてみたら過去に3ヶ所の施設で歌っていた。
 今回の施設は初めての訪問。余裕を持って家を出たが、空いている北の迂回路を通ったので、片道23Kmの距離を40分で到着する。この日は20年前に所属していた中年サッカーのチームメイトがネットで偶然私を見つけ、「後学のために」と、ライブを見学にくることになっていた。
 開始は15時からだったが、15分前にそのMさんが到着。いまでも中高年チームでサッカーを続けているそうで、定年後の生き方のひとつに、ボランティア活動を考えているとか。サッカー以外の得意ジャンルである弾き語りをそれに活かせないか…、と思案中であるとか。
 旧知の仲なので、情報提供を含めた協力は惜しまない。まずは自分のライブの一部始終を見届けていただくことだ。


 予定より早い15時2分前からスタート。この日は4日前の介護施設ライブに準じ、夏むきの曲が中心である。ただ、初めての施設なので重複を考慮する必要がなく、メリハリをつけた構成はしやすかった。
 アンコールを含め、およそ40分で以下の13曲を歌った。

「憧れのハワイ航路」「バラが咲いた」「ソーラン節」「おかあさん」「浜辺の歌(ノーマイク)」「草原の輝き」「瀬戸の花嫁」「幸せなら手をたたこう」「高校三年生」「われは海の子」「ここに幸あり」「青い山脈」
「月がとっても青いから(アンコール)」
 歌い始めてみて驚いたが、音の反響が抜群によい。建物の構造に由来するものと思われるが、いわゆる「ナチュラルリバーブ」がほどよく効いている。弾き語り活動を本格再開して足掛け10年になるが、介護施設系でこれほど音のよい場には、初めて遭遇した。
(あとで担当のTさんに聞いたら、同様の指摘をしばしば受けるらしい)


 音のよさに呼応するかのように、1曲目からいきなり手拍子が飛び出し、50名ほどいる聴き手の反応も非常によかった。横に広い会場で、歌いながら順に聴き手を見回すよう努めたが、いきいきと輝く表情を返してくださる方が多数。
 聴き手が乗れば、歌い手もますます乗ってゆく。「ライブは聴き手と歌い手の両方で作り上げるもの」とよく言われるが、この日はそれを地でゆくような進み方だった。

 4日前の施設で初めて歌い、反応がよかった「幸せなら手をたたこう」をこの日も歌ったが、やはり受けた。「聴き手参加型」としては「二人は若い」に匹敵する歌だ。
「浜辺の歌」は得意の「ノーマイク、ウォーキング生歌」。聴き手との距離が間近になるので、どの施設で歌っても好評。いまや私のウイニングショットに育ちつつある。今後レパートリーを増やしたい。
 予定分の12曲を歌い終え、「それではみなさま、菊地さんにもう一度盛大な拍手を」と、進行のTさんのシメの挨拶も終わり、素早く撤収を始めたら、期せずして会場から「アンコール」のさざ波がじわじわと広がる。
 職員は全く関わっていず、作為のない自然発生的なアンコールだったが、当惑したTさんが近寄ってきて、「あのぅ…、アンコールは可能でしょうか…?」と、遠慮がちに尋ねる。それではと再度ケーブルをつなぎ直し、最近のアンコール定番曲である「月がとっても青いから」を歌って納めさせていただいた。

 久しぶりに会ったMさんと終了後に近くのカフェで話したが、「みなさんいいノリでしたねぇ、音程も正確で、ギターの音もいい。よく工夫された構成でした」との感想をいただく。
「実は今日は、過去最高に近い内容のライブでした」とお伝えしたが、いい場面に立ち会ってくれたと、偶然に感謝したい。