2013年7月9日火曜日

弾き語り経歴書

「認知症を考える」という地域の勉強会から知人経由で連絡があり、来月の会合のあとに余興として歌っていただけないか、との依頼。平日の午前だが、スケジュールは問題なく、会の主旨にも賛同できたのでお受けした。
 今日になって再度の連絡があり、担当の方はずっと以前から私のことを知っていたという。介護施設や地域センターなど、さまざまな場で地道に活動を続けているので、知らず知らず輪は広がっている。

 打合せのなかで、プログラムを作るので簡単な経歴書をいただけないか、との話が出た。最近になってこの種の要望が非常に多く、単なるボランティアとしての活動でも、それは例外ではない。
 同様に要望の多いステージ写真も含め、最近はいつでも応じられるよう、すべてひな形を準備している。ボランティアも完全に質の時代に突入した感で、「ただ歌って場をまとめればよい」という時期は、とうに終わっている。


 私の場合、住所氏名年齢職業の基礎データ記載から始まり、次には「20代前半から弾き語り活動を始め、年間50回前後のステージをこなす」と、まず記す。多ければいいというものではないが、どのような場であれ、週に1回平均のライブを切れ目なくこなしているという事実は、相手を感心納得させるに充分である。

 次に活動を本格再開した2004年からの主たるライブ実績を、年1~2回ほどのペースで列記。ライブの場は公的なものが基本で、「すすきの祭り」「さっぽろ雪まつり」など、知名度が大きければ大きいほどよろしい。
(小規模でも優れた場は多数あるが、経歴書でふれてもあまり意味はない)
 チカチカパフォーマンスなどの公的ライセンスの記入も必須。テレビやラジオの出演実績なども、あれば忘れずに記す。どちらも歌い手の実力とは必ずしも連動しないが、あくまで無名の歌い手であることを悟るべし。悲しいが、社会が認めるのは、この種の第三者的評価による実績なのである。

 最近は「2012年、11曲入オリジナルCDをリリース」も付記するようになった。これまたCDを出したから急に実力が増すわけでもないが、これだけで驚く相手も確かにいることを忘れてはならない。
 私には無縁の世界だが、何らかの音楽系コンテスト入賞歴があれば、これに優る活動実績はない。
 ポイントは客観的事実を具体的に記すこと。よく見かける「多数のステージ」「好評を博す」「CD注文が殺到」などは、曖昧で主観的表現。自分を実体より大きく見せようとする意図と受け取られかねない。
「世間の求める評価をくみ取り、上手に取り入れる」これが経歴書を書くコツといえばコツで、この種の材料がほとんどない場合、歌える場は自ずと限られてくるものと考えたほうがよい。