新年度初めて、通算10度目となるチカチカパフォーマンスを実施。事務局からのスケジュール告知と小旅行が重なり、希望する平日昼間のエントリーに遅れをとった。どうにか確保した枠は遅めの16~17時。しかも過去に例のない3組のパフォーマーによる共演である。
第2期オーディションで登録メンバーが倍近くに増え、相対的に場所や時間帯の競争率が高くなった。間隔がしばし空いたこともあり、漠然とした不安を抱えて会場へと向かった。
会場到着は15時20分。他のパフォーマーと簡単な打合せをする。調整の結果、私の開始時間は15時50分からとなり、演奏も普段より短い40分間ということになった。
15時25分からジャグリング弥勒さんのステージ開始。キャリアのあるプロの方なので、場のさばきは巧み。あっという間に20人を越える人を集めた。横から眺めながら準備を進めつつ、予定していた16曲のうち、削る曲の検討をする。
この日は初めて中華Padによる電子譜面を使うつもりで、直前まで充電して家を出たが、1時間以上経過していたにも関わらず、問題なく起動した。
15時45分に弥勒さんのステージが終了。私のステージはいつものように通りに直角な横壁。通りに向かってステージを設定した弥勒さんとは完全に独立している。時間ロスを最小にするべく、ただちに歌い始めた。
この日はシャンソン&クラシックを中心に、結果として以下の12曲を35分間で歌った。
「想い出のソレンツァラ」「パダン・パダン」「サンタルチア」「サン・トワ・マミー」「ラ・メール」「ベサメ・ムーチョ」「野ばら」「蘇州夜曲」「河は呼んでいる」「モルダウの流れ」「優しき光(オリジナル歌詞)」「ケ・セラ・セラ」
場に少し残っていたジャグリング見物の客は、私が歌い始めても全く関心を示さず、全員が姿を消した。始めた直後はステージ準備をするトイシアターのお二人が場に居合わせるだけだった。
2曲目あたりから少しずつ人が集まってきて、歌い進むうち、じわじわと10人ほどに達した。まずは順調な滑り出しである。これまでなら、そのまま人がどんどん増えてくるはずだった。ところが、その思惑は見事に外れた。
5曲目の「ラ・メール」で人が逆に引き始めたのだ。喉の調子は悪くない。理由が分からないまま歌い続けたが、その後も人が増える気配はなく、最後の数曲を熱心に聴き届けてくださったのは、顔見知りのNさんとHさん、そして準備を終えたトイシアターのお二人だけ、といった状況である。
予定より5分早く、16時20分にステージ終了。1曲に要した時間は曲間を含めても3分弱で、かなり効率よく進められた。
心配していた電子譜面台の操作はスムーズで快適だった。曲間ロスを最小限にできた大きな要因である。ページめくりは瞬時。曲ごとのサイズ調整(拡大)に若干の時間を要するが、大きな問題ではない。リスクを避け、予定曲分の印刷譜面は念のため持参したが、登場する場面はなかった。
今後、どのライブでも電子譜面が使える見通しがついたが、この日最大の収穫はもしかするとこれだったかもしれない。
初披露の曲は「モルダウの流れ」と「優しき光」。少ない聴き手にも確かな反応があったと思う。聴き手が多かろうが少なかろうが、やるべきことはきちんとやった。
ラストのトイシアターさんのステージをひとり見届ける。こちらも実績あるプロの方なので、場のさばきは巧みで技も確か。誰もいない場にじょじょに人を導く手法など、参考になった。
終了後にしばし情報交換をしたが、16~17時半は大道芸人にとって魔の時間帯なのだとトイシアターさんは言う。人々が帰宅を急ぎ始める時間帯だからで、いつも早い時間に終わらせてしまう私にとって、初めて聞く話。なるほどと納得した。
さらにこの日は、階段を降りて通りに立った瞬間、(人が集まらない…)という悪い空気感を感じたそう。私には多いと見えた客も、いつもの半分程度だったとか。
パフォーマーの増加で、今後はこれまでのように自由なステージはやれない可能性が高く、1ステージ30分程度の以前のスタイルに戻さざるを得ないかもしれない。開始時間を厳密に告知することも難しくなりそうだ。
固まったと思っていたチカチカパフォーマンス、大きな状況の変化に対応する必要に迫られている。