今回のパフォーマンスのために軽量化に努めたとはいえ、ギターを含めた全機材の重量は合計でおよそ11Kgある。3つに分けたこれらの機材を背中と左右の肩にかけ、1Kmほどの凍結路を歩くのだ。
機材のさらなる軽量化はすでに限界に達しているので、あとはセットと撤収を効率よく進めることだ。その一環として、マイクスタンドと譜面台を収納する手製の布袋を改造した。
弾き語り活動を本格再開した7年前からずっと使っていて、問題点が起こるたびに改修を重ねてきたが、今回は袋の入口をヒモとじ方式からファスナーに変えた。
マイクスタンドを譜面台と一体型に改造したので、当初よりも全体が10センチほど長くなってしまった。現状では袋がぎりぎりで、出し入れの際にヒモにたびたび引っかかる。特に設営の際に思わぬ時間を食っていた。
ヒモを通していた折り返し部分をのばし、ファスナーをぎりぎりの位置に縫いつけた。これまでより長さが数センチ伸び、出し入れもスムーズ。
もうひとつの問題点だった譜面台とマイクスタンドを同時梱包する方法に関し、ふと思いついて使っていない伸縮性のあるリストバンドをスタンド中心軸にはめてみたら、これがいい具合に収まる。
これまではスタンドにしばりつけたヒモを使っていたが、この方式だとバンドの中に譜面台を通してやるだけでよい。短時間で素早く着脱ができる。写真のように、ライブ時にはマイクケーブルをまとめておく役目に早変わりする。
機材の省力化は、まだやる余地が残っているかもしれない。要は既存の方式にしばられない独自の発想と、あくなき探究心である。