2011年5月5日木曜日

脱原発デモに参加

 市民団体が主催する「5.5札幌ウォーク」という、脱原発デモに参加した。子供の日に合わせ、「子供たちに原発不安のない安全社会を残そう」という主旨に賛同しての行動だ。
 被災地に直接出向いてボランティアに励むという考え方もあるが、現段階ではまだ無理。ボランティアはひとまず被災地に近い娘にまかせ、私は「後方支援」ともいえる選択である。

 午後1時に都心の大通公園集合だが、妻は勤めがあり、息子は友人との約束がありで、私一人での参加となった。知人友人の類いに声をかける気は最初からなく、ブログ等での事前告知も一切しなかった。
 そもそもこうした行動は、個々人の信念に基づいた孤独でストイックなものであり、誰かとツルんでやるようなものではないだろう。


 デモがあることは新聞で知ったが、そもそもデモに参加するのが学生時代以来、実に42年ぶり。幸いにカラリと晴れ上がったが、風は冷たい。帽子と厚めのジャンパーで身を固め、前日に閃いたカエルのオブジェを使った手製のプラカードを準備し、車ではなく電車で行った。

「目標動員千人」と主催者側は予告していたが、到着した10分前には、まだ100人にも満たない。やっぱり道民の意識はこんなものかと思っていたら、時の経過と共にジワジワと増え始め、デモ開始の1時半には、およそ500名もの人で通りは溢れた。


 参加者には若い女性と子供、そして年配者の姿が多かったが、働き盛りの男性の姿は皆無に近い。反原発デモに参加し、新聞やテレビに映ったりすると、社会的に何かとまずい立場の人も大勢いるのだろう。
 事実、夕方のテレビニュースで私の姿がかなり大きく映ったが、文字通り自由な身である自由業の私には、法律を遵守する限り、これといって行動に制約がない。しかし、世の中、男性はおしなべて保守的である。今回のデモも数名いたリーダーはすべて女性だった。
 ちょっと驚いたのが、外人の姿が目立ったこと。周囲を数えただけで10名はいた。私の真横にも台湾人らし若き女性二人が、元気にシュプレヒコールを上げていた。外人はこの種のことには敏感で行動的のようだ。

 都心を2キロほどぐるっと回って、およそ45分でデモ終了。持参したカエルのオブジェは周囲に大人気で、「どうやって作ったのか?」と、いろいろな人から聞かれた。
 廃品利用のオブジェなので、エネルギーの無駄をなくすという意味で、デモの主旨にも合っていたかもしれない。テレビに映ったのも、たぶん目立っていたからか。
 その後、大通公園を西にまた15分ほど歩いて、カエルヤ珈琲店に行く。雪が解けてからは初めてだったが、いつもと変わらぬ佇まいである。歩きづめで空腹だったので、オススメ品のひとつであるチリドックと珈琲のセットを注文する。空きっ腹に染みる味だ。

 店は珍しく閑散としていて、店主のU子さんとあれこれカエル談義。帰り際、レジ横にあった大震災募金箱に、釣り銭を全部投入。こちらもささやかな後方支援である。
 この募金箱も、もちろんカエルなのだった。当分の間募金は続けます、とU子さんは言っていた。さすがである。応援します。


 カエルヤから20分ほど歩いて電車に乗り、最寄りの駅で降りて再び20分歩き、夕方5時にようやく自宅にたどり着いた。
 天気が良く、その気になれば屋根補修の続きもやれそうだったが、この日はさすがにやめておいた。あとで調べてみたら、合計で10キロ以上も歩きに歩いていた。よくぞ歩いたもの。気怠い快感である。