2011年1月30日日曜日

スノーキャンドルの灯

 秋田県能代市在住の同窓の建築家、西方里見さんが、ご自分のアトリエ前にミニかまくらを作り、夜は中にキャンドルを灯していることがブログに書かれていた。奥様の作らしいが、雪と炎の対比が美しく、なかなか趣きがある。
 長い冬を楽しく乗り切るためのささやかな工夫で、私もさっそく真似をしてみた。


 基本的には西方さんと同じ手法だが、我が家の玄関前アプローチには、まだ1メートル近い雪の壁がある。そこを30センチ四方ほどにくり抜き、中に太めのローソクを仕込んだ。
 柱を中心に左右に2個配置し、ハロウィンのカボチャの眼のようにしてみた。

 最初は風防用にペットボトルを半分に切ったカバーをかぶせたが、酸素が足りないせいか、炎が小さい。外してみたらいい具合に燃え、しかも風でゆらゆら揺らいでアヤシイ魅力ではないか。


 夕方17時に点火し、23時近くまで灯しておいたが風で消えることもなく、直径5センチ×長さ5センチほどのローソクの半分以上が燃えた。

 階段の昇り降りのたびに、玄関前車庫に面する壁の窓から、その灯りがほんのり鮮やかに見える。ローソクの在庫はたっぷりあるので、当分は足りる。冬の楽しみがまたひとつ増えた。

2011年1月28日金曜日

カポの擦り合せ

 2年半使ったギターの備品、カポ(ネックにかまして簡単に転調させる道具)のゴムが傷み、音がビビって使い物にならなくなった。カポは2個持っているが、ダメになったのは予備として使っている新しいほうのNSカポ。
 知人の勧めで買ったが、7年近く酷使している古いほうの「シャブ(SHUBB)カポ」はいまだに問題なく使えている。価格は両方とも2,000円前後したが、少なくともゴムの劣化という一点では、シャブカポのほうがはるかに優れている。


 他に使えるカポは持っていないので、この際NSカポは捨て、シャブカポをもう1個買うつもりでいたが、ふと思いついてカポのゴム部分の擦り合せ(ヤスリで削って面を平らにする)をしてみようかと考えた。
 擦り合せは普通、ギターのフレット(金属部)に施す処理だが、それをカポでもやってみようというのだ。

 音がビビってしまう原因は、スチールの弦を強く締めたり緩めたりすることにより、ゴムの弾力が落ちて溝状にへこんだままになってしまうからで、そこをヤスリで平坦に均してしまえば、問題は解決するのでは?と考えた。
 工具箱にあった粗めのヤスリで丹念に削ってみると、ゴムのかすがポロポロ落ちて、見る間に平坦になった。こんなに簡単でいいのか?と、半信半疑で装着してみると、音のビビリは見事に解決していた。カポ復活である。
 調子に乗って、古いシャブカポにも同様の処理を施す。仮にゴム表面に特殊な硬化処理をしていた場合、削ることそのものがタブーなのだが、いまのところ普通に弾けている。

 両方のカポとも、ゴムの部分は相当の厚みがあるので、もしこの処置で正しければ、カポの買い替えは当分しなくて済みそう。
 本日のDIY難度、5段階中の1。100円ショップで粗めのヤスリを買ってくれば、誰でもできる。

2011年1月26日水曜日

切れない確かな糸

 この20数年、毎年欠かさずクリスマスカードをくれていたカナダ・バンクーバー在住のCさんから、今年はなぜか届かなかった。クリスマスカードには家族の近況が詳細に記された手紙がいつも同封されていて、その返信を「年賀状」という形で送るのが、このところの習慣だった。
 年賀状もそうだが、喪中などがきっかけで、長年のつきあいが不意に途切れることがままある。互いの近況をマメに伝え合う相手とは、たとえ年に一度の交換でも細々と続くものだが、愛想のないパターン文面だけになると、感覚的にはいつ途切れてもおかしくない危険信号である。

 どちらからともなく関係が切れてしまうのは、互いがたとえば思い出だけの関係としても必要としなくなったからで、それが流れゆく人生というもの。無理に竿さして、引き止める必要もない。


 とはいえ、ホームスティがきっかけで、長年続いていたCさん一家との交流が予告もなしに途切れてしまうのはさすがに寂しく、こちらからもう一度だけ新年のカードを送ってみようか、いやまて、もう少し待ってみようかと逡巡するうち、いつの間にか1月も下旬になってしまった。

 そのCさんから、思い出したようにカードが届いた。スタイルはクリスマスカードだが、文面は新年を祝うカードである。いつもの添書きを読むと、イギリス在住の義姉が亡くなり、何かとあわただしかった様子。
 去年カードに同封したシャンソンコンサートのCDを、「You sing and play well !」と、大変喜んでくれている。気持ちはちゃんと届いていたようだ。
 Cさんは60代半ばを過ぎているが、教師の資格を活かし、いまだに週1回地元の保育施設でボランティアに近い教育指導をしているそうだ。自分のやれる範囲での社会参加で、見習いたいと思う。

 少し遅れてしまったが、年賀状に使った画像を見開きのカードにレイアウトし直し、近況を添えて送った。細いが、切れない確かな糸がまたつながった。

2011年1月25日火曜日

楽しき一夜

 雪も仕事も訪問ライブもまとめて一段落し、母の様子も見てきたので、昨年12月に一度行ったきりのご近所ライブ酒場「Life」に、再び顔を出した。
 雪は降ってないが、道はまだ完全に除雪されていず、交差点での見通しが極端に悪く、歩道はまるで雪のトンネルのよう。路面はカチカチに凍てついていて歩きにくい。事故に遭わないよう慎重に歩き、20分で到着。
 忘れられたかと思っていたが、マスターはちゃんと覚えていてくれた。悪路と寒さに備え、防寒長靴をはいて上靴持参で行ったが、入口にちゃんと履き替えスリッパが並べてあった。さすがは豪雪地区のライブハウス、用意がいい。
 午後8時半頃だったが、店は閑散としている。不況と豪雪のダブルパンチで最近はどこも似たようなものらしい。

 マスターも豪雪地区の戸建住宅に住んでいるので、歌も歌わず、しばし「豪雪談義」にふけっていたら、9時過ぎになって夫婦連れの客がやってきた。歌好きの夫婦らしく、座るやいなや、続けざまにカラオケで歌いだす。
 そうするうち、別の中年女性客が現れ、3人が交互に歌い続ける。みなさん非常に達者な喉で、今夜は聞き役だなと拍手に徹していたら、しばらくしてマスターが「何か歌ってくださいよ」と耳元でささやいた。


 楽譜一式と自分用のサムピック、カポはいちおう準備して行ったので、言われるままにステージに座った。話の流れで、いきなりシャンソンを歌うことになる。前日も歌ったばかりだが、定番の「サン・トワ・マミー」をまず歌った。こうした場であまりにマニアックな曲やオリジナル曲は禁物である。
 ライブの翌日は喉の休養日といつもは決めていて、あまり調子はよくない。声に伸びとツヤがない感じだ。しかし、歌い終えるといきなり「もう1曲!」「今度はこうせつを歌って」「松山千春はやらないの?」と、あれこれ声がかかる。
 アンコールには基本的に応えるので、調子に乗って目下練習中の「少しは私に愛を下さい」を続けて歌う。

 この曲、以前に知人からいただいた、シャンソン歌手のしますえよしおさんのCDに入っていた。小椋佳の初期作品で、ジャンル的にはフォーク。しかし、しますえさんはこれをシャンソン風にアレンジして巧みに歌っている。
 キーは私のほうが少し高いが、真似て私もシャンソン風アレンジでずっと練習していた。初披露だが、これがかなり受けた。前奏と間奏に面倒なピッキング(私にしては)を入れたが、ノーミス。
 非常に入り込める歌で、自分に向いている曲だと思う。シャンソン系コンサートでも、間違いなく使える。

 その後、マスターのギターと女性客のボーカルで「東へ西へ」(井上陽水)が始まったので、途中でお店に置いてあるカホンを叩いて乱入。突発的なセッションだったが、いい感じに決まった。
 夫婦客と中年女性客は順に帰ったが、みなさん帰り際に私にまでていねいに挨拶して下さって、恐縮しきり。男性客とは差し出されるままに固い握手まで交した。そういう土地柄なのである。
 3時間以上も長居して、珍しくアルコール類を3杯も飲む。店はまだまだ盛り上がっていたが、ほどほどにして帰路についた。えらく冷えるなと思って家の寒暖計で確認したら、マイナス13度まで下がっていた。
 しかし、大雪よりも寒さのほうが余程ましというもの。うまい酒と会話、そして好きな歌に囲まれ、楽しい一夜であった。

2011年1月23日日曜日

「野ばら」が当たった

 正午から有料老人ホームでのライブがある。ところが数日前に町内回覧板が回ってきて、町内会館の除雪作業を同じ日にやるという。ライブ会場は札幌の南端で、北端にある我が家からは30キロ近くあった。
 折からの豪雪で、交通事情は極度に悪い。安全をみて午前10時には家を出たいが、除雪作業は9時開始。事前のリハや機材積込み時間を考慮すると、除雪への参加は難しい感じがした。

 しかし、どちらも広い意味でのボランティア活動である。自分だけ早めに作業を始めれば、部分的な除雪は可能ではないか?そう考え、早めに起きて8時45分には町内会館の屋根に昇り、雪下ろしを始めた。凍りついた雪に手こずり、スコップの一部が割れてしまうというアクシデントがあったが、30分ほどで雪は下ろし終えた。
 平地の雪山除去の作業が残っていたが、事情を話して早退。すぐに家に戻り、汗で濡れた衣類を取り替える。休む間もなく、最終リハを始めた。
 一通り終わって機材一式を積み込み、家を出たのが10時15分。途中の道は予想通り混んでいる。路肩に山のように盛り上がった雪をダンプに積み込み、堆積場に搬出する作業をあちこちでやっていて、それが混雑に拍車をかけていた。

 南に進むにつれ、雪はだんだん少なくなり、車は順調に走り出す。11時25分に無事に会場に着く。すぐに担当のWさんと打合せ。歌う予定の曲目リストを事前に見せたが、場合によっては外すつもりでいた「東京ドドンパ娘」にはOKが出た。


 施設はこれまで見たことがないほど立派である。介護の必要がない方も入居可能とのことで、スタイルは高級マンションに近い印象だ。
 少し遅れて12時5分くらいからライブ開始。聴き手はおよそ60名ほどで、ほぼ正方形の会場である。昼食の直後なので、同じ空間にある厨房の片づけの音がかなり大きく、やむなくPAのボリュームを少し上げた。
「演歌はやらない」「クラシック等の洋楽を中心に」という、これまた例のない難しい要望が事前にあったので、構成には頭を悩ませた。
 1曲目は「カントリー・ロード」を歌う気でいたが、昨夜遅くになって突然気が変わった。「カントリー・ロード」は確かに洋楽だが、ジャンルはカントリー。高齢者相手では難しいかもしれないと感じ、クセのないスイス民謡の「おおブレネリ」に差替えた。

「ノリのいい曲をみなさん好まれますよ」と、事前にWさんには聞いていたが、実際に歌ってみると、反応のよいのは逆に叙情系のしっとりした曲だった。
 2-3曲目の「埴生の宿」「浜千鳥」では一緒に口ずさんでくれる方が多数いたし、中盤の「野ばら」のメドレーでは、多くの人の目が生き生きと輝きだしたのがはっきり分かった。二つのメロディのどちらにも一緒に歌ってくれる方がいて、最高の手応え。覚えたての曲だが、この「野ばらメドレー」は、たぶん別の場でも使える。

 あまりの反応の良さに、状況次第では飛ばすつもりでいた「菩提樹」を急きょ歌う。この歌はもちろん、その後歌った「オー・ソレ・ミオ」にまでも、一緒に歌ってくれる方がいて、非常に驚いた。
 反面、ノリのいいはずだったアップテンポ調の「東京ドドンパ娘」「サン・トワ・マミー」「恋のバカンス」等に対する場の反応はいまひとつ。あとで確かめてみたら、この種の曲は担当のWさんが大好きなんだという。そういうことでした。
 合計11曲をぴったり30分で歌い終える。場の雰囲気からして当たるのは確実と思われた「蘇州夜曲」は、結果的に歌えずじまい。惜しいことをした。
 しかし、終了後に複数の方が近寄ってきてねぎらってくれ、施設長やWさんも「これほどみなさんが乗ってくださったのは、初めてです」と、興奮気味に語ってくれたので、最低限の義務は果たせたようだ。
(施設は開設5年目である)

 反省点は、「埴生の宿」で歌詞の「鳥」を「虫」といい間違えたこと。「野ばら」の出だしを3/4拍子で入るべきなのを、4/4でやってしまったこと。(歌はちゃんとワルツでやった)
「オー・ソレ・ミオ」の途中で歌詞を見失い、「うるわしの…」の部分の入りがやや遅れたこと。
 いずれも全体からみれば大きなキズではないが、「初めての厳しい場」という状況がそうさせたように思える。「完全無欠のライブ」というのは実に難しいもので、どのような状況下でもそれができるのが、いわゆるプロなのかな…、と最近は思うのだ。

2011年1月22日土曜日

大雪の爪痕

 早めに起き、仕事に励む。急ぎの物件は昨夜未明に納品したが、広い街区をシミュレートする次の仕事が控えていて、ちょっと手強い。ラフ案を月曜までに出す必要がある。
 一段落したあたりで、玄関前の除雪作業をまたやる。珍しく昨夜の積雪はなかったが、客用の駐車スペースを作るべく、車庫前の雪の壁を少し削り、電動除雪機で跳ね飛ばす。
 3度目ともなると、かなり要領をつかんできて、作業そのものが楽しくなってくるからゲンキンなものだ。


 10分ほどで作業は終了。その後再び仕事に励み、大枠がひとまず完成した。天気がよく、気温もちょうど零度前後。3時のお茶の前に、妻と近隣の週末ディスカウントスーパーまで歩いて行くことになった。
 途中の家々では、多くの人がセッセと雪かきに励んでいた。週末だが、遊びよりもまず雪かきである。
 途中、雪にすっぽりと埋もれたまま、わずかに後部だけが見えている車を発見する。普段は駐車場として使われている空地だが、何らかの理由で雪に埋もれてしまい、放ったらかしにされたのだろう。
 妻とウダウダと大雪の爪痕を確認しつつ、生活必需品を調達して帰る。雪ネタはまだしばらく続きそうな気配。

2011年1月21日金曜日

「オーソレミオ」に差替え

 差し迫る「介護施設洋楽ライブ」の構成は完全に固まったつもりだったが、昨夕の練習後に、ふと気が変わった。真ん中あたりで歌う予定の「恋心」が、場にそぐわないような予感がしてきたのだ。
「洋楽」「シャンソン」という切り口では問題ないが、実はこの曲、10数曲準備したなかで唯一のマイナー調の曲。(キーがBm)
「恋なんてむなしい、何になるのよ…」といった非常に厭世的、退廃的な内容で、「暗い曲調の歌は避けてください」という、担当のWさんの要望からも外れる感じがした。
 一晩寝て妻に相談してみたら、妻も同意見。やっぱりそうだよなと納得し、代替案として出したメジャー調の「愛の讃歌」「踊りあかそう」「オー・ソレ・ミオ」を順に歌ってみたところ、「"オー・ソレ・ミオ"がいいと思う」という、明快な回答。自分でもそんなイメージでいたので、土壇場になって差替えることにした。


 シャンソンには明るい曲と絶望的な曲とが入り交じっているが、「オー・ソレ・ミオ」のようなカンツォーネには、おしなべて明るい曲調が多い。フランスとイタリアの国民性の違いだろう。
 個人的には時に人生の深淵に迫るシャンソンの曲調を好むが、選ぶのは歌い手ではなく、あくまで「場」である。
 幸い、「オー・ソレ・ミオ」は20代前半に姉の結婚式で歌ったことがある。無伴奏だったが、ギターコード譜は簡単に見つかった。何とかやれると思う。

 こんなふうに、ライブの直前になって予定曲を変更することは、実はよくある。決めた構成で何度も反復練習するうち、自然に自分のイメージとの違和感に気づくからで、多くは変更して正解である。
 本日もまた30センチ近い降雪。除雪したばかりのテラス窓が、また雪で深く埋まっている。例によって除雪車はこないので、妻は私の防寒長靴をはいて勤めにでかけた。

 昨日に引き続き、午後から電動除雪機の出動。今日は軽い新雪なので、非常に能率が上がった。自宅玄関前ばかりでなく、南を走る除雪された道までの通行路を含め、わずか15分で全作業が終わった。つい先日までの苦しみが、まるでウソのよう。道具の有難みを感じる。

2011年1月20日木曜日

電動除雪機の試運転

 アマゾンに注文してあった電動除雪機が昨日夕方届いたので、さっそく試運転してみた。大雪の峠は越えたが、玄関前の通路は積み上げられた雪の山が立ちはだかり、通行や車の出入りに支障のある状態。
 説明書には除雪深さが30センチ程度で、固く締まった雪には適さない、とある。10数万円もするエンジン式の除雪機でも固く凍った雪には弱い。ましてや非力な2万円の電動式である。

 そこでまず、壁になっている雪をスコップで少しずつ削ることから始めた。削った雪を平らに広げる。そこに除雪機を進めてみると、まずまずの勢いで雪は飛んだ。


 投雪距離は最大9メートルとあるが、固い雪の場合は3~4メートルがいいところ。雪を飛ばす方向は左右と正面の3方向が切替可能だが、最もよく飛んで操作しやすいのは正面だった。
 雪の跳ね上げ高さはカタログ通り、2メートルほど。車輪を支点にし、角度を上向きにしてやると高く飛んでゆくが、すでに通路両側の雪の高さは1.5メートルを越えているので、左右の山へ完全に載せるのは難しい感じだ。
 いろいろ試してみると、まず雪を正面にできるだけ飛ばし、そのまま直進して道路を挟んだ反対側空地に飛ばすのが最も効率的であることが分かった。30センチを超す厚い雪の場合、2回に分けてやるとうまくゆく。要は慣れである。
 電源コードは20メートルあるので、たいていの戸建住宅なら間に合うだろう。


 30分ほど作業し、通路は1メートルほど広がった。朝一番で急ぎの仕事が2つ入り、急に忙しくなった。雪ばかりにかまけてはいられない。新たに雪が降る気配もなく、この日の作業はこれにて終了とした。
 除雪機を単純に押すだけなので、腰への負担はスコップに比べ、格段に少ない。使う前は不安だったが、まずまず使えることが分かり、一安心した。
(新雪に対する動作は未確認だが、今回が最も厳しい使用条件と思われる)

 盗難が怖いので保管は予定通り、玄関ホールの一角とした。写真のように非常にコンパクトで、出入りの邪魔にはならない。雪は2月一杯確実に続くので、しばらくはこの場所に置いておこう。


《2011.1.25 追記》
 その後、新雪でも作業したが、固い雪に比べると威力抜群。飛距離も軽く6~7メートルは出る。固まる前の早めの作業が肝心のようだ。
 また、長いコードが本体直結になっていて、収納時の扱いにやや困っていたが、写真のように本体取手にゆるく巻いてやればうまく収まる。

2011年1月19日水曜日

落雪の怖さ

 雪がようやく止み、陽射しも暖かい。午前9時で暖房を止め、外の様子を見に玄関を開けたとたん、車庫屋根の上に雪の固まりがドシンと落ちた。母屋の屋根からの落雪だ。
 巨大な雪庇は昨日大半を除去したので問題ないが、残った一部が暖気でゆるみ、落ちてきたらしい。そのまま外に出て観察していると、大きな雪の固まりが少しずつ下に向かって滑り出しているのが、はっきり分かった。

(落ちる…)
 そう思ったとたん、幅7.5メートルの南屋根の載った全部の雪が、地響きをたてて一挙に落ちてきた。轟音と共に上がる雪煙。離れて見守っていたので実害はないが、こんなものに真下で直撃されたら、ひとたまりもない。


 写真は直後に2階窓から撮ったもの。雪の固まりは完全に隣地境界を越えている。「野中の一軒家」なのでひとまず問題にはならないが、いつか隣地に家が建ったとしたら、防雪対策は必須である。
 現状で軒先から隣地境界までは2.8メートル。屋根勾配は5/10で、軒の高さは地盤面から6メートルである。札幌市の建築指導要綱では、雪止めの設置は義務づけられていない。
 しかし、今回のような豪雪では、明らかに隣地に影響を及ぼしている。過去11年間で落雪が隣地境界を越えたことが一度だけあったが、とにかく確率的に5年に一度は起こり得る、ということだ。隣地境界に強固な塀を設置するなり、雪止め金具を屋根につけるなりの対策が必要だろう。
「基準通りに設計すればOK」とはならないのが建築の難しさだ。

2011年1月18日火曜日

2度目の雪下ろし

 朝起きると、またまた玄関前に大量の雪の山。昨日は真面目に雪かきをしなかったせいもあるが、明け方にやってきた除雪車が置いていった固い雪が追い打ちをかける。
 幸いに雪は止み、久しぶりの青空が広がっている。予報では夕方から再びの雪。いまのうちにあちこちの除雪をやってしまおうと、装備を固めてユルユルと始めた。

 まずは玄関前の雪をどかす。ネットで発注した電動除雪機が早ければ明日にも届くので、車がどうにか出せるギリギリの幅だけを除雪した。
 その後、ウッドデッキ側に回って半分が雪で塞がっているテラス窓の雪をどかす。買い換えたばかりの防寒冬靴の機能は優秀で、深い雪も何のその、である。


 その後、いったん家に戻って昼食を済ませる。一気にやると身体がもたない。そのうちに妻が戻ってきたので、車庫屋根の雪下ろしと雪庇の除去を同時にやることにする。
 屋根の雪下ろしは極力妻が家にいるうちにやるようにしている。屋根から落ちたり、大量の落雪に埋もれてしまう可能性があるからで、現実に同様の事故で今年もたくさんの人が命を落としている。誰かが家に入れば、万が一の際にも連絡救出が叶う。
 車庫の雪下ろしは今年2回目。つい先日やったばかりだが、すでに深いところでは80センチ近い危険値である。
 そもそも一冬に2度の雪下ろしをしたのが、入居後の11年で2度目。今年の雪がいかにすさまじいかが分かる。温暖化?ウソでしょう。時代はじょじょに氷河期にむかっていると控えめに唱えている地球学者がいるが、あなたの説を信じます。

 雪庇落としは写真中央にある長い手製工具でやった。3.6メートルの物干竿の端部に、先端が壊れて使えなくなった除雪スコップの柄の部分を逆にして取付けたもの。中間部のツナギに、鯉のぼり用のパイプも使っている。

2011年1月15日土曜日

レグザの内蔵HDDが壊れた

 2009年7月に買ったハードディスク内蔵液晶テレビ、「東芝レグザ32H8000」の録画機能が、昨年暮れあたりから急におかしくなった。出だしの再生が途中で止まってしまい、停止と再生を何度も繰り返すと、ようやく再生が始まる。
 CMを早送りし、通常再生に戻すとまた止まる。一時停止もうかつにできず、いったん再生を始めると、止めずに一気に観るしかなかった。
「ハードディスク内のリストを表示すると、録画中の番組にエラーが出て消えてしまう」という別の問題も起きた。録画予約した番組が、全く再生不可能だったこともあった。
 普通にテレビを観る分には何も問題がなく、すべては録画関連のトラブル。買って1年半で、保証はすでに切れている。一連の症状からして、内蔵ハードディスクの故障が最も疑わしいが、壊れるのがちと早過ぎはしないか?

 ハードディスクには寿命があり、使えば使う程ほど早く壊れるのは承知しているが、PCなら3年はもつ。テレビの場合は不明だが、妻と二人で毎日4〜5本の番組を録画しては消す、を繰り返していたので、酷使していることは間違いない。


 困り果てて東芝の相談センターに電話してみた。対応は親切だったが、原因ハードディスクとは断定できず、技術者が診断してみないと分からない、との企業としては無難な回答。
 しかし、診断は持ち込みではなく、すべて出張が条件とかで、最終的に内蔵ハードディスクのトラブルだった場合でも、技術料と出張料のほか、純正部品代として2万円は確実であった。合計で小型の液晶テレビがもう1台買えそうな感じである。
 本体のリセットやHDD初期化を施しても症状は全く改善せず、どうすべきかかなり悩んだが、ダメモトで安価な外付けのハードディスクを試してみることにした。

 東芝レグザに完全対応の外付けハードディスクをアマゾンで5,380円で入手。(I-O DATA製500GB)今日それが届いたので、さっそくセットアップした。
 USBケーブルで相互につなぐだけなので、内蔵からの切り換えはごく簡単にできる。祈る気持ちで試してみると、すべての症状は改善されていた。やはり犯人は内蔵ハードディスクだったわけで、自力で対処して大正解。

 現状ではこの製品がH8000シリーズに対応しているようです。
(Amazonで9,300円/2024.3現在)
こちらの対応サイトでご確認ください。

 取り外した内蔵ハードディスクを調べてみると、ごく普通の2.5インチSATAハードディスクで、自力でも交換できそうな感じがする。しかし、ネット検索してみると、なぜか成功例は少ない。
 そもそも、交換するハードディスクが5,000円以上して、新品の外付けハードディスクと変わらない値段。電気代もほぼ同じで、写真のようにテレビの裏に隠してしまえば、場所もとらない。リスクを犯してまで自分で交換する必要もないだろう。

 これまでの内蔵ハードディスクは300GBだったので、外付け500GBに換えたことで、録画時間が1.7倍に増える。
 ハードディスクは消耗品で定期的な交換は必須だが、高価な純正ハードディスク内蔵タイプのレグザを買うより、安価なハードディスクなしのレグザを買い、録画は最初から安価な外付けハードディスクでやるのが故障時の費用も少なく、最も賢明な選択のように思える。
(レグザには標準で外付けハードディスク用のUSB端子がついている)


《2018.1.8 追記》
 その後7年が経過したが、I-O DATA製の外付けハードディスクは毎日の酷使にも関わらず、故障もなく動いている。
「観終えるとすぐに消す」を繰り返す我が家の使い方では、容量は500GBで充分足りている。

《2023.7.1 追記》
 購入後12年余が経過。外付けハードディスクは日々の酷使に耐えている。最近になって別チャンネルの番組が録画される現象が発生したが、購入して14年経ったテレビ本体の問題かもしれない。

2011年1月14日金曜日

雪の建築士定期講習

 雪は降り止まず、雪下ろしをしたばかりの車庫にも、再びかなりの雪が積もった。一冬2度の雪下ろしはカンベン願いたいが、予断は許さない近ごろの空模様。
 今日は都心の建築専門校N学院で、3年に一度義務づけられている建築士の定期講習がある。早朝に除雪で手間取るのを避けるため、除雪車が通った直後の前日夜半に車庫前の除雪は済ませてあった。

 記録的豪雪となってしまい、交通の滞る1月に受講申込をしたことを少し悔やんだが、後の祭り。JRで会場に行くべきか、少し遠い地下鉄で行くべきか当日まで迷ったが、雪の影響を受けず、降車駅から会場まで近い地下鉄を最終選択した。
 最寄りの地下鉄駅までは車で10分弱。駅ビルに丸一日停めても600円という、格安の駐車場があることをネットで知った。郊外の道なので、そう混雑せずに着くだろう、と読んだ。


 朝7時に起き、妻の作ってくれた弁当とお茶を積んで、早めの7時50分に出発。講義は午前9時開始なので、十分に余裕があるはずだった。しかし、幹線道路に入ったとたん、車が全く動かなくなった。予想を超える大渋滞だ。家を出て30分を過ぎても、駅はまだ遥か彼方。とても間に合いそうにない。
 時間に遅れると受講はできないが、ひとまず会場にだけは行って、次の受講日に変更してもらう可能性にかけようと、気持ちを切り換えた。

 途中、ふと駅ビルへの裏道があったことを思い出す。思い切って幹線をそれてみたら、スイスイ走って、8時31分に駐車場に入れた。もしかすると間に合うかも…。
 その後ハヤテのように駅ビルを駆け抜け、8時39分発の地下鉄に飛込む。乗ってしまえば地下鉄は速い。12分後の8時51分には目的地の札幌駅に着いた。

 長い階段を駆け上り、前日に調べてあった最短距離の出口に突進。地上に出て再びハヤテに変貌し、青の点滅信号を2つギリギリで走り抜け、目的の札幌ファクトリー3号館4階会場に滑り込んだのが、開始1分前の8時59分。まるで奇跡のように間に合った。
 胸の動悸と気持ちが落ち着くのに1時間近くを要したが、講義は無事に終了。終了後の考査(試験)も、昔の建築士試験とどこか似通っていて、まずまずの手応え。17時半に長い一日がようやく終わった。

 今回の会場を選んだ最大の理由が受講料の安さで、財団法人系は多くが15,750円のなか、破格の12,000円。なぜだろう?と思っていたら、講師は教室に一人もいず、4台の大型液晶モニタがあるだけ。すべての講義が全国の会場をネット回線で結んだバーチャル講義なのだった。これは安くなるはず。
 しかし、テキストや講義内容に手抜きはなく、余程入念に調整しているのか、講義は1分のロスもなく、定刻通りに小気味よくトントン進んだ。仕事も趣味もネット中心で進めているまさに私むき。時代は見る間に進んでますな。
(教室写真は休憩中に撮影)

2011年1月13日木曜日

介護施設でシャンソン

 昨日、見知らぬ方から電話があり、月末の介護施設誕生会で歌っていただけないかという。最近よくあるパターンだが、今回は私の歌を聴いたことのある「とある方」の紹介だとか。
 その「とある方」の名は教えていただけなかったが、市内白石区在住とのことで、白石区では過去に介護施設やライブハウスなど、あちこちで歌わせていただいている。どこかのどなたかが推挙してくれたらしく、ありがたくて素直にうれしい。

 車で軽く1時間はかかる遠方だったが、スケジュールは空いていたので、お受けした。ところがその後の打合せで、ある難しい条件が出された。いわく、

「演歌は歌わないでください」
「唱歌の類いでも、暗い旋律の曲は避けてください」


 詳しくうかがうと、施設体系は有料老人ホームで、入居者は50名ほど。特に介護の必要がない方も多数いるとか。音楽の嗜好がいわゆる「ハイカラ」で、好むのは基本的に洋楽。これまで依頼したボランティア余興では、よくある演歌系の歌になると、席をぷいと立つ方が複数いたらしい。

 私の母もいわゆる「ハイカラ嗜好」で、音楽の好みはクラシックやラテンを始めとする洋楽。幼い時期に美空ひばりや三橋美智也などの演歌は、聴くことも歌うことも禁じられた。
 洋楽をこなす音楽ボランティアは極めて少ない。「あの人なら多分できる」と、どなたかが推薦してくれた理由は、どうやらこのあたりにもあったようだ。
 音楽に限らず、人生はおしなべて趣味の問題なので、最近のライブでは我を抑え、努めて場の嗜好に合わせる。
 場の求めに応じて演歌や民謡もそれなりにこなすが、最近私が個人的に好んで歌っているのは、シャンソンを始めとする洋楽である。いわゆる「願ったり叶ったり」の場ではないか。

 その後細かい調整を重ね、シャンソンやクラシック系の曲を中心に構成することを約束した。ちなみに、唱歌の「荒城の月」「月の沙漠」は不可だが、「浜千鳥」ならばOKだとか。分かったような、分からないような…?
 歌謡曲系でOKなのは、「恋のバカンス」「いい日旅立ち」「涙そうそう」あたり。ううむ、なるほど。
 時間はあまりないが、どちらかといえばカフェでのソロライブをやるような気分で臨めそうな感じ。先日の「介護施設でフォーク」も驚いたが、今度は「介護施設でシャンソン」である。いい時代になった。

2011年1月11日火曜日

とうとう雪下ろし

 寒波は去る気配がなく、真冬日は延々と続き、雪は降り止まない。居間からウッドデッキに通ずるテラス窓も、ガラスの下1/4ほどが雪でふさがっている。
 近隣のアメダス積雪量をチェックすると、116センチ。札幌都心のアメダスでは60センチ弱だが、札幌の北外れにある我が家は、近隣の石狩市の数値に近い。ここの積雪量が1メートルを超すと、危険値なのである。


 昼過ぎに雪は降り止み、カラリと青空が広がったので、雪庇(せっぴ)が重く垂れ下がっている車庫屋根の雪下ろしをすることにした。
 まずは恒例となっている車庫前の雪をどかし、続けて屋根に昇って作業。いざ昇ってみると積雪量は75センチほどで、設計値の1メートルにはまだ余裕があった。しかし、仕事のないいまがやるべき時期だろう。
 休まず作業し、ちょうど終わった頃に妻が勤めから戻った。時計をみたら、50分ほどが過ぎていた。これでひとまずは安心である。
 車庫の雪下ろしは全くしない年もあるが、今年はちょっと早過ぎる感じだ。一冬に降る累計積雪量はだいたい決まっているので、後半は少雪であることを期待しよう。

2011年1月10日月曜日

介護施設でもフォーク

 豪雪のまっただ中に実施された介護施設訪問ライブが無事に終わった。今回も依頼はネット経由。介護施設系ライブの依頼は、「一度歌った場からの再依頼」「以前に別のライブで見かけて」そしてこの「ネット経由」の3つに大別されるが、最近急増中なのがネット経由である。
 登録しているボランティアNPO法人のサイト経由や、単純なネット検索によるものだが、過去の詳細なレポートや、YouTubeを中心とする音源等の情報公開により、頼みやすい雰囲気はあるらしい。


 今回のライブには難しい条件がいくつかあった。まず、聴き手の層が下は20代から上は90代と、とんでもなく幅が広いこと。「グループホーム」「ディサービス」「障がい者施設」の3つを兼ね備えた都心の大規模施設からの依頼なので、そういうことになるらしい。
「どの世代にも受ける」という歌はそうないので、正月休暇で帰省中の息子の意見も聞き、選曲にはかなり頭を悩ませた。
 当日になって、別の問題が発生した。数日前からの豪雪で雪かきに追われ、腰痛の持病を持つ体調が充分ではない。前日には町内会新年会が離れた公共施設であり、雪の中を歩いて苦手な宴会に4時間近くおつきあいする。
 二次会のカラオケは固辞してすぐに家に戻り、ライブの準備をするはずが、空きっ腹にビールを飲み過ぎたせいか、そのまま夕食まで寝込んでしまい、歌の最終練習は夜半に15分ほどしかできなかった。

 当日になっても雪は降り止まず、最終リハをする以前に、まず車庫前の雪かきを強いられた。道路の渋滞が予想されたので、予定よりかなり早く出かける必要があり、結局当日のリハも15分ほどで打ち切り。
 先方には開始20分前に何とか到着したが、10階建ビルの2階にある施設には駐車場がなく、2ブロック離れたコイン駐車場から、重い荷物を3つ抱えて滑る道をトボトボ歩く。
 ようやく着いた施設玄関には、厳重なセキュリティシステムがあって、簡単には入れない。インタホンを探しても見つからず、携帯は車の中に忘れてきた。途方に暮れていると、たまたま帰りがけの施設職員の方が通りかかって、声をかけてくれた。教えられた別の入口からようやく中に入る。やれやれ。


 休む間もなく、ただちに機材をセット。寒い道を歩き、階段を何度も昇り降りしたせいで腰も腕もしびれて痛いが、泣き言はいってられない。ともかくも準備は予定5分前に終わり、ライブはぴったり12時30分に始まった。
 聴き手は職員も含めて50名を超える。確かに年齢層は幅広く、しかも会場が横にだだっ広い。歌いながらの視線や身体の向きの変え方、音の広がり具合など、縦長よりはるかに難しい場だ。
 さまざまなトラブルの影響を心配したが、ライブそのものは順調だった。工夫をこらした選曲も当たった。場がつかみきれないので、珍しく最初から「一月一日」「ウインターワンダーランド」の2曲をメドレーで歌ったが、どちらにも間髪を入れず手拍子が出た。

 3曲目の「さくらさくら」で冷えきった指が少し動かず、一瞬あせったが、どうにか持ち直す。「上を向いて歩こう」で、会場を順に見回しながら歌っていたら、一瞬歌詞を見失った。横に広い場での難しさがここにある。
「ピクニック」とアンコールの「二人は若い」では、かけ声の部分を聴き手に完全に任せてみたが、大変ノリのいい方が数人いらして、上手に反応してくれた。その際、ギターストロークを一瞬止めた弊害で、流れに戻るのに多少もたついてしまった。
 全体としては大きなキズではなかったが、前回ライブではうまくいっていた部分。直前のトラブルをここでも引きずっていたかもしれない。
 いろいろあったが、結果としてみなさんには大変喜んでいただいた。フットタンバリンを要所に入れた効果か、終始拍手と歓声が絶えなかった。拍手は普通でない「さくらさくら」「宗谷岬」「いい日旅立ち」にまで、曲調に合わせた手拍子をそれぞれいただく。
 予期せぬ難しい条件の中でも、大崩れせずにそれなりに場をまとめられたのは大きな成果だった。

「菊地さん、南こうせつに声質がとても似てますね。今度菊地さんの『夢一夜』をぜひ聴いてみたい」と、帰りがけに責任者のN子さんから唐突に言われた。この施設ではフォークもOKということで、カラオケ大会でもしばしば「かぐや姫」が飛び出すとか。次回のリクエストとしてありがたくお受けした。
 昨年末の「白いブランコ」のリクエストでも感じたが、いよいよ介護施設でもフォークの時代到来のようである。

2011年1月9日日曜日

リアル・シンデレラ

 昨春の新聞書評で目にし、気になっていた姫野カオルコの「リアル・シンデレラ」をようやく読んだ。原稿用紙700枚を超す長編力作だが、そんな長さを感じさせず、数日で読み終えた。
 最近、こうした経緯で読んだ本は「ハズレ」が多かったが、読後感は非常に爽やかで、久々に「本」を読んだ気分である。

 一糸まとわぬ美女が目を閉じて佇む表紙カバーにまずドキリとさせられるが、実は主人公である「倉島泉」という女性の有り様を暗示しているように思える。("デルヴォー"という画家の作品)表紙カバーデザインや登場人物の名前は決して小説の飾りではない。

 タイトルからも推測できるが、価値観の混迷する現代における、ある種の「寓話」「おとぎ話」のような小説である。興味深かったのは、「筆者」という人称で随時登場するライターによる、ノンフィクション取材小説のような形式をとっていること。
 人物系図や鳥瞰間取り図等が豊富で、あまりのリアリティさに(実在の人物では?)と疑い、途中でネット検索してみたほど。しかし、あくまで架空の人物であった。
 小説を貫くテーマが、「現代における真の幸福とは何か?」という、永遠に答えの出ないような壮大なものだ。しかし、作者はその答えを700枚余の頁で明快に示している。
 おとぎ話のエンディングによくある、「いつまでもシアワセに暮らしましたとさ、めでたし」といった類いの価値観による幸福感ではもちろんなく、人を押しのけず、妬まず真っすぐに生き、ささやかな日々の充足感を慈しむ、そんな生き方暮らし方に裏打ちされた確かなものだ。

 読んでどう感じるかは、読み手が人生で目指すものに大きく左右されそうな気がする。世の人々がみなこのような価値観でいるならば、この世は随分住みやすくなるに違いない。

2011年1月7日金曜日

珈琲メーカーの評価

 年末に買ったメリタ製のコーヒーメーカーを使って10日ほどが過ぎ、いちおうの評価が出た。まず味は抜群によい。正月休暇で帰省した珈琲好きの長男も絶賛していて、「僕も買おうかな…」と言ったほど。
 これまで朝の1杯は手で入れていた私も、最近はすべてこのコーヒーメーカーを使っている。妻も勤めに出かける前、何と2杯も続けて飲んでいるらしい。安い豆だが、あまりに美味し過ぎて、豆代がかさむのが心配かも?
 以前のコーヒーメーカーより消費電力が145W上がり、電気代が心配だったが、今日やってきた電気料検針によると、昨年同時期よりも9Kwh下がっていてホッとした。
 待機電力やLED電球への切り換えなど、この1年のさまざまな工夫の成果とも考えられるが、ともかくもコーヒーメーカーによる電気代増はいまのところない。落とし終わると自動的に電源オフになり、ポット自体による自然保温モードになるので、逆に電気代が下がるのかもしれない。


 欠点はポットの蓋が締めにくいこと。保温性を保つためか、最後の半回転がかなり固い。勝手が未だよく分からない妻には難しいとのことで、ポットの水切りが終わると本体にセットしておくのは目下私の役目。
 握力の弱い高齢者には、完全に締めること自体が難しいかもしれない。

 全体の高さがこれまでより10センチ近く高いので、セット時に水を入れる際、ヤカンや計量カップだと上の棚が邪魔で、しばしば水をこぼしてしまう。上部に充分なスペースがあれば問題ないが、我が家の設置場所にそんな余裕はない。
 あれこれ考え、500mlのペットボトルに1杯分と2杯分のマーキングをし、注水専用アイテムとして代用してみたら、こぼさず簡単に入れられた。経費無用の縄文的思考である。

2011年1月5日水曜日

音楽の持つ力

 昨日、今日とNHK-BSで放映された「菩提樹」「続・菩提樹」の映画を続けて観た。あの「サウンド・オブ・ミュージック」で有名なトラップファミリーを題材にした元祖ドイツ版の映画である。
 以前に「菩提樹」だけは観ていたが、こちらは「サウンド・オブ・ミュージック」に近い内容。その続編がアメリカに亡命したファミリーの物語で、地震や国会中継などで2度も放映中止となり、ようやく念願叶って見届けた。

 次男役の少年が時折ソロで歌う声が実に美しく、聴いているだけで涙が自然に流れる。調べてみたが、俳優の名前は分からない。子役には違いないが、おそらく吹き替えではなく、本人が歌っていると思う。
 あのように歌だけで理屈抜きに聴き手の心を揺さぶるのが、いまの私の目指すべき道である。
(その後の調べで、「ミハエル・アンデ」という俳優であることを知る。やはり本人が歌っていた。現在66歳で、健在とのこと)
 2作を通して観て、「音楽には力がある」という普遍的事実を改めて感じる。

「菩提樹」でのラスト、入国を拒否される一家が、機転を効かせてプロモーターの前で「菩提樹」を朗々と歌い、拒んでいたプロモーターの男が一転して保証人を受け入れるシーン。
「続・菩提樹」の中盤、それまで固い宗教系の歌にこだわり、受け入れられずにいたファミリーが聴き手の嗜好に合わせ、咄嗟に「狩の歌」と「おおスザンナ」を軽快に歌い、ついに成功を手に入れるシーン。
 この2つのシーンには、歌に必要なものは何か?という答えが、明快に語られている。音楽活動をしている方には、ぜひとも観て欲しい映画だ。

2011年1月4日火曜日

エコ加湿器・その後

 気温は平年なみだが、近隣アメダスの積雪はいつの間にか60センチを超えた。腰を傷めないよう、コルセットをはめて除雪車が大量に残していった車庫前の雪を2度に分けてどかす。冬のまっただ中である。

 以前に電力や熱源を一切使わないエコロジーな自然蒸発系加湿器のことを書いた。例年1月は室内湿度は30%台半ばまで下がるが、今年はこの加湿器のおかげで、太陽が照りつける日中でも41%以上をキープしている。
(夜間は44〜45%程度)


 最初は市販品と自作分の2台だけだったエコ加湿器、実は年末あたりに40%を切りかけたので、急きょ自作品を1台増やし、合計3台とした。

 自宅は合計暖房床面積93m2、合計気積280m3ほどで、1〜2階は吹抜けを介して間仕切りのほとんどないワンルーム形式だが、この条件下で現状では写真の3台で足りている。
(水差しは1日1回、合計400cc程度)
 当然ながら市販品のほうが効率がよいが、自作の吸取紙加湿器でも数があれば充分役に立つ。

2011年1月3日月曜日

お年玉の使い道

 妻は昨日から仕事。末の息子も午前中に勤務先の街に戻って、ほぼ正月気分は消え去った。午前中から溜まった寝具類の洗濯に励む。
 年齢を考え、今年は酒もほどほどに抑えた。暴食も控えたので、例年この時期には2キロは増える体重も、54.5キロと、あまり変わっていない。何事もほどほどがよろしい。

 取り立てて仕事がないので、早めに確定申告の準備を始める。7年を過ぎて保存義務のなくなった領収書類は昨年末に処分したので、今日は7年を過ぎた光熱費関係の統計値をデータベースに転記し、領収書原本は同じく処分した。


 だいたい終わった頃に妻帰宅。昼食とお茶をほぼ同時に済ませたあと、末の息子が今年もくれたお年玉を握りしめ、イトーヨーカ堂に買物にでも行こうか、という話がまとまった。

 年末に見つけていて、買うのを躊躇していた定価8,000円の高級セーターを、半値の4,000円で買う。自分の金では半額でもまず買わない品だが、長く記念に残るだろう。
 妻も同様に、5年使って底に穴の開き始めた冬靴を買い換えた。同じく4,000円で手頃な品が見つかった。
「もらったお年玉で、欲しかった物を買う」
 ほとんど親子逆転の構図であるが、まあ、長生きしたゴホウビのようなものだろうか。

2011年1月2日日曜日

得難い励み

 朝一番のJRで上の息子が九州の勤務先に戻った。明日は末の息子が道南の勤務先に戻る。それぞれがそれぞれの日常に戻るということで、それすなわち自立したオトナの意識と生活であろう。

 新年早々のライブが早くも1週間後に迫ったので、すでに昨日から練習に励んでいる。「20歳から90歳」という、非常に幅の広い聴き手に対応すべく、あれこれ考えているが、ひとまずの構成が今日まとまった。
 息子の意見なども取り入れ、どの世代でも大きな疎外感のない曲を選択したが、これが当たるかどうかは、やってみなくては分からない。


 これに関連し、昨年末に何度か試して問題の見つかったフットタンバリンを少しだけ改良した。
「踏んでいるうち、本体が動いてずれてしまう」という欠点だが、専用のデッキシューズを持参すれば解決することが、昨年最後のライブで分かっていた。しかし、機材がひとつ増えるという別の問題がある。
 そこで足がぴったりはまるベルトを本体につけてみた。古いズボンのベルトを再利用したものだが、いまのところ問題点は解消している。実戦で再度試してみたい。

 今日は軽い調整のつもりが、つい調子に乗って1時間も歌い続けてしまった。なぜか喉の調子は100%ピークに近く、もしかすると1週間後には調子が落ちているかもしれないと、別の不安が襲ってきたりする。
 年末から年始にかけ、YouTubeにアップしている音源に対し、2つのコメントがついた。YouTubeには15本の音源をアップしているが、ありがたいことに現時点で約半数に高評価をいただいている。
 しかし、具体的なコメントをいただいたことはこれまでなく、実際にそうなってみると、非常にうれしいものだ。

「誰のためでもなく、ただ歌っている自分が楽しいから」というスタンスは自分の歌の原点には違いないが、であれば何も好き好んで人前で歌ったり、YouTubeにアップしたりする必要はない。
 つまりは「誰かに認められたい」からこそ、あちこちで歌っているわけであり、その意味ではYouTubeの再生回数や評価、そしてコメントは、歌い手にとって得難い励みになるのだ。

2011年1月1日土曜日

ほどほどな元旦

 雪も降らず、寒さもほどほど。穏やかな元旦だった。久しぶりに家族4人がそろい、ほどほどに飲みつつ、定番のオセチをいただく。子供がそばにいるせいで、妻は終始上機嫌であった。めでたし。


 生ものと昆布巻、蒲鉾以外はすべて手作りである。家族が喜んで食べるので、妻も作りがいがあるらしい。結婚以来35年、変わらぬ元旦の食卓である。

 ワインはずっと元旦限定でポルトガルのマテウス・ロゼを飲んでいたが、近隣では入手が難しくなってきたので、最近は地元産の小樽ロゼ(キャンベルアーリ)にしている。普段飲むワインの倍以上するが、フルーティでなかなか美味い。