2009年1月21日水曜日

行列ツララ

 2日続きの風雪ネタである。早朝に除雪車が入り、玄関前にドンと固い雪というより、氷の塊を残していった。玄関前に残された雪の除去は市民の責任、となっているので、やむなくスコップで除雪開始。

 しかし、固くて重い。一部の塊はスコップでは除去不能で、両手で抱えてどかした。10分程作業したところで、持病の腰痛がピリピリと黄信号。残った分は夕方やることにし、家に入ろうとふと屋根を見上げると、これまで見た事もないようなツララの列が北側の屋根にズラリ並んでいる。
 三角屋根なので多少のツララは毎年発生するが、こんなにひどいのは入居9年で初めてのことだ。近隣の家々を調べてみると、三角屋根の家にはどこも大なり小なりのツララが発生していた。おそらく湿った大量の雪と、零度前後の中途半端な気温のせいで、ツララの発生しやすい条件が整ったのだろう。


 ツララ発生のメカニズムに関してこれまでいろいろ調べてきたが、単純な気象条件のほか、屋根の素材や葺き方でも微妙に発生の違いがあることが分かってきた。
 内部からの熱が屋根に逃げやすくなっている建物のように、構造的欠陥に起因する「内的要因ツララ」がまずあるが、今日のように日射や気温で屋根の融雪がすすみ、それがツララとなる「外的要因ツララ」の場合、特に屋根の材質と葺き方が問題になるようだ。
 我が家の屋根はコストの一番安くて単純な「蟻掛葺き」という一種の縦葺き工法だが、この工法は屋根の頂点から軒先まで融雪水が一気に流れるため、条件によっては非常にツララが出やすくなる。
 コストの高い横葺き工法の場合なら、融雪水は横に流れたり、屋根上に滞留したりする仕組みなので、写真のような全面ツララは出来にくい。しかし、それでも融雪水の逃げ場となる軒端部(妻側)に、まとまった大きなツララが発生しているのを時折見かける。
 屋根形状が我が家のように単純ではなく、複雑に交叉している形状の場合、材質や工法とは無関係に谷部などにツララが発生しやすくなる。

 今日は珍しく「建築屋」らしい記事となった。たまにはね。