2018年9月5日水曜日

台風に翻弄

 四半世紀に一度という強力台風の接近で、深夜1時くらいから次第に風が強くなり、突風が吹くたびに家がきしんで揺れた。遮光ネットは全て外し、台風の備えは万全のつもりでいたが、玄関横の窓から外をうかがうと、車庫がグラグラ揺れている。
 DIYで建てて19年が過ぎ、幾度かの補修や補強を重ねてきたが、台風で壊れたことは過去に一度もない。しかし、母屋にビスで一部止めてある箇所がきしんで音をたてる。道路側の開放部分は方杖が効いていて、外れる感じはしない。

 とはいえ、ピークは2時ころと予報にあったので、不安で寝る気になれない。そうするうち、何かが剥がれて大きな音をたてた。2階窓から車庫屋根を見ると、道路側のポリカ波板とアスファルトルーフィングが剥がれて波打ち、無残な状態だ。
 風にあおられていまにも北側隣家の車にふれそうだったので、カッパで身を固めて外に出て、電動ドライバーで波板の一部をビスで木壁に仮止めした。隣家の住人も出てきて、車の位置を建物の陰になる位置に移動させていた。


 そのままネットとテレビで情報収集しつつ、寝ずに起きていた。風はますます強まり、札幌の瞬間最大風速が33Mを記録。屋根材が飛ぶだけでなく、万一車庫が倒壊でもしたら、大変なことになる。
 その万一に備え、車庫内に置いてあった車を風上の青空スペースに移動させた。車庫が倒壊しても、車はひとまず無事だろう。

 風で車庫全体が大きく左右に揺れるが、何とか耐えている。車庫北側の木壁に風があたって車庫が揺れるので、外に出て壁を外そうかと一瞬考えたが、怪我が怖くて断念。(このまま風よ、弱まってくれ…)久しぶりに天に何度も祈った。
 祈りが通じたか、3時を過ぎたころから、やや風が弱まってきた。突風の吹く間隔も長くなる。風の音で目覚めた妻も、2時ころからずっと見守っている。
 4時を過ぎると、風の勢いはさらに弱くなった。どうやら台風は北に去ったようで、車庫倒壊という最悪の事態は免れたらしい。妻は安心してここで寝床に戻ったが、そのまま5時近くまで起きていた。


 寝る直前に外に出て車庫の状況を確かめると、屋根の被害のほかに、強い南風で押されて、車庫の上部が10センチほど北側にずれている。母屋に固定したビスが飛んだためと思われ、全体の補修をどうすべきか、あれこれ考えるとストレスで眠れなくなった。
 7時半にピンポン鳴る。2軒隣りに住む住人が「ウチの車庫に引っかかってました」と破れたルーフィングの固まりを差し出した。車にキズでもついていたらご連絡ください、と恐縮する。

 飛散した屋根材のゆくえが気になり、一睡もできないまま布団から抜け出して、近所を回る。かなり遠くまで飛び散っていた屋根の残材を回収。幸いに車や建物にキズはつけていない。
 そのまま車庫の屋根に上り、残っている残材のビスをゆるめて全て回収する。安全なウッドデッキ下に片づけて、ひとまず安心だ。

屋根材を全て外して野路板だけの状態

 家に入ってシャワーを浴びる。台風のせいか蒸し暑くて汗だく。半分は冷や汗だったか。朝食を食べてから再度布団に入り、ようやく4時間だけ眠った。(車庫修復に関しては、続編の記事にて)