2018年9月11日火曜日

被災白書〜照明・通信編

 北海道大停電における耐乏生活のうち、照明と情報通信についてふれる。

 情報通信手段にはテレビ、ラジオ、インターネット、携帯(ガラケー)を使ったが、最も役立ったのは携帯ラジオだった。テレビ中継がないときの野球放送を聞くために買ったものだが、単3電池2本で延々駆動してくれた。
 ラジオは地震情報のほか、給水場所や充電可能スポット、営業している店、交通情報など、地区ごとに細かく正確に告知してくれ、信頼できる情報手段だった。

 もう1台ある充電式のMP3ラジオも当初は聞いていたが、数時間でバッテリ切れ。乾電池式に比べて使える時間はごく限られていて、防災ラジオとしては不向きだった。


 消費電力47Wの小型テレビを100Vバッテリで視聴できたが、バッテリは携帯の充電や照明にも使う必要があり、テレビの情報はラジオとあまり変わりなかったので、すぐに視聴をやめた。

 インターネットはノートパソコンのバッテリを常に満充電にしてあり、モデムを100Vバッテリにつなげば、普通にネットにつながった。
 しかし、ニュースやツイッターの情報で特に有益なものはなく、怪しげなデマ情報も多数紛れ込んでいて、信憑性が低い。こちらも100Vバッテリの負担になるだけなので、2日目からは接続をやめた。
 携帯(ガラケー)は親戚や友人からのお見舞いメールや安否確認などに大活躍。鍋とガスによるご飯の炊き方やマンションの断水で困っていた長男夫婦に、有益な情報を送ることができた。FAX電話は停電のせいか全くつながらず、災害時は役に立たない。
 通話はバッテリ消耗が激しいので極力控え、大半はスマホとガラケーの垣根を越えて使えるショートメールでやり取りした。

 2日目に2台ある携帯のバッテリが両方とも切れたが、まだ余力のあった100Vバッテリから1台分をかろうじて充電できて、事なきを得る。
 単3電池2本で動くUSBバッテリをライブ用に買ったばかりだったが、USB端子から携帯につなぐアダプターを(これは必要ないな…)と判断し、買いそびれていた。100均で買えるので、これは備えておくべき。


 照明は乾電池式LEDライトを3個所有。当初はライブ用のLEDライト7Wを100Vバッテリにつないで使っていたが、停電2夜目にアラームが鳴ってバッテリ切れ。過去にテストして13時間使った記録があるが、停電直後から多方面で酷使したので、5〜6時間しか持たなかった。

 3夜目からはキャンプ用の灯油ランプを併用。ポータブル石油ストーブと並んで、石油は屋外タンクに400L近い備蓄があるので、安心して使える。
(地震後1週間経ってから、ライブ用に買った乾電池式LEDスポット灯があることを思い出し、点けてみたら抜群の明るさだった。いまごろ気づくとは、やはり気が動転していたのか)
 LEDライトは単4電池を3本使うタイプだったが、こちらは単3電池式のほうが汎用性が高くて便利だった。幸いに電池切れは発生しなかったが、単3電池なら多数の機器で使っているので、ツブシが効く。
 LEDライトは片手がふさがってしまうのが不便だったが、途中で思いついて長めのヒモをつないで首からぶら下げるようにしたら、使い勝手が格段に向上した。同じ理由でキャンプ用のヘッドライトも有益と思われる。

 LEDライトは普段棚に置いてあったが、地震で落下してしまい、直後に停電。探すのにやや手間取った。今後に備え、決まった位置にヒモで吊るしておくことにした。
 長男は手回し発電のラジオ&ライトを持っていて、かなり役立ったと聞く。ラジオやLEDライト、携帯は1台だけでなく、複数持っていたほうが安心できる。

 全般的に言えることだが、防災品とあえて区分けせず、普段から使っているものが結果的に防災時にも役立つ、という暮らし方が望ましい。たとえば食料なら、主食となるインスタント麺や乾麺、餅や米は多少多めに買っておき、日付の古い物から日常食として順に食べている。結果的にこれが防災用食品として今回役立った。
 バッテリ関連は充電状態の定期チェックを欠かさず、石油ストーブや灯油ランプも最低年に一度は点火テストしておくべきだろう。