2013年6月7日金曜日

リハビリ的ライブ

 およそ1ヶ月ぶりにチカチカパフォーマンスで歌ってきた。平年より6度ほど気温が高く、スカッと晴れ上がったが、それほど暑さは感じない。北海道特有の爽やかな初夏である。
 何を着て行くべきかちょっと迷ったすえ、長袖シャツにベスト、首には短いバンダナを巻いた。

 会場はいつもの北4条広場。珍しく中央の北3条広場も同時開放され、他の4組のジャグリング系と似顔絵系のパフォーマーは全て北3条広場にエントリー。北4条広場のエントリーは私一人だった。
 会場に着いてみて驚いた。広場の北側半分以上に所狭しと本が並んでいる。以前にも一度ぶつかったことがあったが、この日は古本市が同時開催されていたのだった。
 歌う場所は必然的に南側の1/3ほどの空間。歌うスペースは2M四方もあれば足りるので、すぐに機材をセット。古本市の責任者の方にまず挨拶に行く。挨拶は必須ではないが、社会人としての基本条件。この状況下では、こちらから出向くのが常識であろう。

 責任者の方は事務局から事前に話を聞いていたそうで、ご丁寧にどうも、楽しみにしています、との好意的反応である。


 少し遅れて14時5分から歌い始める。この日はいくつか試したいことがあって、第1ステージでは「少女」「乙女」をテーマに、およそ25分で以下の8曲を歌った。
(※は初披露)(◎はオリジナル)

「恋のバカンス」「いつのまにか少女は※」「想い出がいっぱい※」「誰も知らない夜◎」「夢の途中」「空も飛べるはず」「河は呼んでいる」「青春時代」

 爽やかな好天に恵まれたせいで、外の人通りは多かったが、地下通りはかなり少なめ。人の集まりは悪かったが、オリジナルの「誰も知らない夜」を歌い始めると、声に吸寄せられるように人が集まってきて、あっという間に20名ほどに達した。
 普段はこの曲をストロークで歌っているが、この日は初めて緩やかなアルペジオでバラード風に歌ってみた。CDを買っていただいた知人のアドバイスによるもので、半信半疑の手探りで歌い始めたが、あまりの反応に当人が戸惑うほど。

 以前にもオリジナルの「独り」をストローク奏法からアルペジオ奏法に変え、歌唱開眼したことがあるが、もしかするとこの曲も同じかもしれない。自分の歌でも、歌唱法ひとつで世界がガラリ変わる。結果としてこの日最大の集客がこの曲だった。大きな収穫である。
 少ない聴き手の割には、いろいろと声をかけてくれる方がいて、励みになった。この日はあえて昭和歌謡を少なめに構成したが、数少ない昭和歌謡といえる「恋のバカンス」「青春時代」での反応がやはり抜群によい。チカホで昭和歌謡を捨てることは、当分難しいかもしれない。

 寒暖の差が激しい日が続いたせいで、喉の調子はいまひとつだったが、歌い進むうちに徐々にペースを取り戻す。ただ、ブランクが長かったせいか、MCで場の流れをつかむことがあまり出来なかった。
 15分休んで、14時50分から第2ステージ開始。およそ30分で以下の9曲を歌った。(○はオリジナル訳詞)

「Without You○」「ろくでなし」「カントリー・ロード」「レット・イット・ビー○」「夕凪ワルツ◎」「思い出のグリーングラス」「チキ・チキ・バン・バン※」「ヘイ・ジュード○」「ビリーヴ※」
 第2ステージの切り口は、ずばり「洋楽」である。月末に国際交流系の大きなイベントを控えているため、いくつか試してみたいことがあったのが本音。ラストの「ビリーヴ」以外は、全て洋楽系の曲を並べてみたが、集客的には前半よりもさらに苦戦した。
 普段は強いビートルズも、この日に限ってはいまひとつの反応。しかし、通りに立ち止まる人は少なくとも、歌い終えるとなぜか、かなりの拍手が湧き上がる。不思議に思って見回すと、何と隣の古書市で本を選んでいる方々の多くが拍手をしてくれていた。

 歌が誰かに「届いて」いれば、歌い手としては満足である。「よさこいソーラン」が2日前から街で始まっており、それも集客に多少は影響したかもしれないが、ともかく拍手をいただいてCDも売れた。1ヶ月ぶりのリハビリ的ストリートライブ、まあよしとしましょう。