2013年6月20日木曜日

震災以降の世界

 小学校時代の恩師から毎年送られてくる全道展のチケットがあり、今週末で展覧会が終了してしまうので、妻の勤務と私のライブの都合とをうまくやり繰りして行ってきた。
 平日なので会場の札幌市民ギャラリーは空いている。絵画を中心に、500を越える作品群が20の展示室にびっしりと並んでいる。いつもながら作者の熱い情念のようなものが作品から伝わってきて、圧倒される。


 チケットをいただいて観に行くようになったのは一昨年からだが、まさに東日本大震災が起きたその年だった。それから2年が経ち、心なしか並ぶ絵画の色合いが、過去2年よりも明るい色使いになっているように感じた。恩師ご夫妻の絵画も、その例外ではない。

 震災以降の世界をどう生きてゆくのか、その方向性を示すのは絵画や小説、音楽に代表される芸術の大きな役割であるはずで、私自身も音楽活動のなかで、それを意識しつつやっているつもりだ。
「ひとまず足を前に進めませんか?」そんなメッセージを作品群から感じた。


 シルクスクリーンや銅版画の作品が今年は数多く、観ていると自分でもやってみたくなる衝動にかられた。油絵も捨てがたいが、自分にはハードルが高い気がする。しかし版画系なら、仕事でかってはエアブラシを使って描いていた経験が活きそうな気がしないでもない。
 いまは音楽活動と物書き関連で手一杯だが、いずれチャンスがあれば…、と考える。感性を鋭く働かせるという点では、どのジャンルも底に流れるものは同じだ。
 帰路、久しぶりにロイホに寄ってみた。1階が花屋になっている馴染みの店だが、妻と行くのはたぶん1年ぶりくらい。
 都心からの帰り道に立ち寄るカフェ系の店はコマメに開拓しているが、候補をいくつか挙げたら、「今日は甘いモノがいい」という妻の希望だった。

 妻はクリームあんみつ、私はチョコレートサンデーを食す。店内が知らぬ間に完全禁煙になっていた。おかげで終始快適。出口横に喫煙室が設けられていたが、店にいる間に使われた気配はない。
 世の中、あっという間に変貌してゆく。