会場は11月中旬にクロスロードライブでも歌った北3条広場。チカチカパフォーマンスでは10月末以来だったが、その際の手応えが芳しくなく、初めてCD売上げゼロを記録。その結果を踏まえ、今回は原点に戻ってCDの売れ行きは気にせずに、好きな歌を好きなスタイルで歌おうと決めていた。
14時10分前に会場に着いてみると、他の2組のパフォーマーはまだ来ていない。準備が終わったので、自己判断で最初に歌い始めることにした。
先週はライブや息子夫婦との旅行などで忙しく、歌の練習はあまりしていない。冒険はせずに、無難な構成で以下の13曲を45分で歌った。
「パープルタウン」「雨ニモマケズ(オリジナル作曲)」「聖母たちのララバイ」「白い冬」「冬のリヴィエラ」「つぐない」「抱きしめて(オリジナル)」「グッドナイト・ベイビー」「宗右衛門町ブルース」「人生いろいろ」「ラブユー東京」「男と女のお話」「熱き心に」
5曲目までは立ち止まる人はごく少なく、淡々と通りに向かって歌い続ける悟りの境地。世界がガラリと変貌したのは、6曲目の「つぐない」から。
見る間に人が集まってきて、1番を歌い終えた時点で20人を軽く突破した。この曲の強さはいつものことだが、聴き手に押される感じで、珍しくフルコーラスを歌った。
当初は7曲目の「抱きしめて」で休憩に入るつもりでいたが、この時点でも他のパフォーマーは姿を現さない。そこで集まった人々にMCで率直に事情を告げ、「次のパフォーマーが現れるまで、演歌系の歌を続けます」と宣言。第2ステージ用に準備していた曲を歌い続けた。
多少の出入りはあったが、その後聴き手の数が減ることはなかった。「宗右衛門町ブルース」では、1番を歌い終えた時点で、会場からさざ波のような拍手が湧く。あまり記憶にない事態に当惑しつつも、「ありがとうございます!」と曲間で感激の挨拶。
「人生いろいろ」では、30名を越す人が集まってくれた。タイムリーということもあるが、男性がこの曲を歌う物珍しさもあったに違いない。
この日は演歌系の曲が抜群の手応えだったので、予定していた「雪が降る」やオリジナルは封印。この判断は正しかったと思う。
歌い終えると、数人の方が近寄ってきて「素晴らしかったです」と声をかけてくれた。CDもそれなりに売れ、リンゴを差し入れてくれたり、記念写真をぜひに、と望まれたりもした。
喉の状態が万全ではなく、この日の目的は十二分に果たせたので、あとは他のパフォーマーに譲り、1ステージのみで撤収。家に戻って今年歌ったステージ数を数えてみたら、この日がちょうど55回目だった。
我ながらよくぞ歌ったが、叶うならば、術後に予定されているステージも無事にやり遂げたいもの。運を天に託したい。