医者から聞かされた当初は、「珈琲のいったい何がいけないの?」と、不思議だったが、ネットで情報をかき集めるうち、いろいろな新しい発見があった。要は珈琲に限らず、「カフェイン」なるものの功罪に意味があるようだ。
身近な食品で最もカフェイン量が多いのは、やはり珈琲。1杯(150ml)のドリップ珈琲に100mg含まれている。紅茶がティバック1個で35mg、およそ1/3に過ぎない。栄養士から「薄い紅茶なら飲んでいいですよ」と言われた所以。
退院後は朝食時に300mlの湯で紅茶1パックを落とし、まず牛乳を少し入れ、残りは3時のお茶まで2回に分けて飲んでいる。
ネットで調べると、食品全般に含まれるカフェインで最も含有量が多いのは玉露の180mgだが、私は一度も飲んだことがない。
意外だったのが、私の好物であるチョコレートにもカフェインが含まれていたこと。一般的な板チョコ1枚55gで22mgと珈琲に比べるとわずかだが、幼き頃に「チョコレートを食べ過ぎると鼻血がでる」とかナントカ母に脅かされたのは、まんざら方便でもなかったようだ。
そういえば「ショコラ」という洋画に、チョコレートが一種の媚薬のように扱われるシーンがあるが、こちらも同じくカフェインのなせる仕業であろう。
かって一世を風靡した「コーヒー・ルンバ」という歌の中でも、珈琲が媚薬として扱われている。カフェインには覚醒作用があり、適度であれば認知症予防にも効果があるとか。
カフェインの効用については多くの情報があるが、驚いたのは糖尿病、肝臓ガン、大腸ガン、動脈硬化予防にも効くという記載。まさに「薬」である。
対して、弊害もけっこう多い。カフェインの副作用で「胃腸障害」との情報もあるので、今回の手術で禁じられた理由はこれか。驚きの連続だが、副作用のひとつに「不整脈」とあったこと。媚薬にもなり得るほどの刺激は、ときに心拍に悪い影響を及ぼすというのも、よく考えるとうなずける。
以前から正体不明の不整脈に定期的に悩まされてきたが、精密検査でも心臓に異常はなく、原因はストレスにあると思われた。そんなときも毎日2杯の珈琲を欠かしたことはなかったが、症状のひどいときは、しばらく珈琲はやめるか減らすのが身のためのようだ。
大腸ポリープ手術を機に、カフェインとの上手なつきあい方を学んだ。