今後のことは誰にも分からないが、再発や転移の確率が決してゼロではないことは、過去の統計値が示している。そこで「なぜ我が身にガンがふりかかったか?」を自分なりに分析・検証し、多少なりとも再発予防の指標としたい。
(推定値は、あくまで私個人に当てはめた仮説です)
《飲酒》
2013/12/16の当ブログですでにふれたように、飲酒が大腸ガンに深い因果関係があるのは明白である。私の場合、ワインを飲む日は非常に少なく、毎日の発泡酒に加え、日本酒と焼酎のお湯割りを交互に飲む、というパターンが大半だった。
試算によると、総エタノール摂取量は焼酎の場合は適量。日本酒の場合に基準値(日本酒1日1合)を20%オーバーする。月換算だと半分の10%オーバー。つまりが日本酒換算で1日1.1合となる。
日本酒1日1合の場合で大腸ガンリスクが1.1倍だから、これが10%増えたとしても、そう大きな比率増とはいえず、ただちにこれが大腸ガン発症の主原因とは考えにくい。
・飲酒による大腸ガン発症比率=推定10%
・今後の対策:晩酌を従来の半分程度に落とす。(すでに実行中)大量飲酒につながる場(宴会など)は極力避ける。
信頼できる統計によれば、完全禁酒よりも週に1回程度の飲酒は、逆に大腸ガン発生率が80%に下がるという。担当医も「適度なら構わない」と言っているので、酒を絶つ予定はいまのところない。
《喫煙》
23~31歳まで9年間、1日20本前後のタバコを吸っていたが、独立を機に禁煙し、以来32年間1本も吸っていない。家族に喫煙者もいない。受動喫煙が怖く、紫煙の立ち込める場には、極力近づかないよう努めている。
先の信頼できる統計によると、30歳までに禁煙した人に大腸ガンとの因果関係はないという。私の場合、禁煙するまでに1年多いが、ほぼ同じ傾向と思われる。
・喫煙による大腸ガン発症比率=推定0%
・今後の対策:受動喫煙も含め、これまでの手法を守りぬく。
豚・牛・羊などの赤肉(加工肉を含む)を多量に食べると、大腸ガンの発生率が飛躍的に上昇することは、多くのサイト情報から得られる。その適量指標値にはバラつきがあるが、週合計で300~500gといったところ。(1日平均で50~60g程度か)
この数字を妻に示したところ、「すでにあなたはその適正値に入っているわ」と断言した。今回のガン告知で妻は大変ショックを受けていて、(私の食事が原因かも…)と一時は落ち込んだ。
しかし、我が家では肉と魚が交互に食卓に並ぶのが基本。私が好むのは大腸ガンリスクとは無縁の鶏肉で、牛肉や羊肉は、ほとんど食べない。しかも元来が少食で、ガンの主原因となるほど食べているとは考えにくい。
このほか、脂質(油)を多く含む食品も大腸ガンリスクを高めるらしいが、これに関しては具体的な指標が見つからない。(ガンとは関係なく、成人1日の標準脂質摂取量=50g、という説あり)妻に比べ、即席ラーメン(1個で脂質20g前後)を昼に多く食べる傾向にある私は、その分摂取量がやや多いかもしれない。
また、繊維の多い食べ物が大腸ガン発生を抑制するという説があるが、統計によれば明確な因果関係はないという。珈琲も大腸ガンを抑制すると言われるが、結婚後の40年間、日に2杯の珈琲を飲み続けている私でも効果はなかった。
(珈琲を飲み続けていたからこそ、ステージ0で留まった、という考えもあるが)
・食事による大腸ガン発症比率=推定10%(脂質の分)
・今後の対策:朝のトーストにつけるマーガリンを蜂蜜に替える。昼の即席ラーメンを半分に減らし、食べる場合も脂質の少ないノンフライ麺(1個の脂質5g以下)にする。フライや天ぷら類も極力減らす。
《運動》
運動不足が万病の元であることは以前から知られているが、ガンもその例外ではない。市の健康診断で血糖値が危険値を指し、保健センターに丸一日缶詰になって指導を受けたのは7年前のこと。
その原因として運動不足が指摘され、週に3~4回、早足での散歩を勧められた。以来、指導を守って家事を含めた運動に努めた結果、血糖値は1年で正常値を回復。以降も同じ習慣を維持しており、血糖値に異常は見られない。
これにより、健康維持のための最低限の運動はやっていると思われ、運動不足が今回の大腸ガンの主原因であったとは考えにくい。
・運動不足による大腸ガン発症比率=推定10%(家にこもりがちなことは事実なので)
・今後の対策:散歩の回数や距離を少し増やすよう心がける。
《遺伝形質》
ガンが種類によって遺伝する傾向があることは、多くの事例があるらしい。消化器系では大腸ガンが特に遺伝傾向が強いとか。しかし、私の両親や祖父母に大腸ガンを患った者はいない。
父は93歳の天寿をまっとうし、母は93歳で存命。ガン遺伝子の影響を最も受けやすいと言われる両親にガンの病歴はない。
父方の祖父は中風、祖母は脳溢血で亡くなった。母方の祖母は老衰、そして祖父が食道ガンで60代後半に亡くなった。これが私に最も近い肉親で、唯一のガン患者である。
(父母の兄弟にガン患者はいない)
ネット情報によれば、食道ガンの遺伝性は薄いというが、ガンになりやすい体質の遺伝はあるかもしれない。母の家系は従兄弟や叔父叔母まで範囲を広げると、複数のガン患者がいる。私にその体質が受け継がれていてもおかしくない。
・遺伝形質による大腸ガン発症比率=推定30%(体質的な遺伝)
・今後の対策:DNAは変えられないので、こまめな検診を心がけ、他の危険因子抑制に努めるしかない。
《ストレス》
ストレスとガンの因果関係に関しては、他の因子のように明確な指標がないので、はっきりしない。しかし、発症に強く関わっていると私には思えるし、そう指摘する専門家も数多い。
独立前に9年間勤めていた会社で、40代の働き盛りの中間管理職が短期間に4人もバタバタとガンで亡くなった。私の退職直後のことだったが、当時の成長分野である公害防止関連企業だったので、心身共に非常に消耗する立場であったことは間違いない。
ストレスにもさまざまなタイプがあって、同じ状況下でも人によってストレスになる場合とそうでない場合があるように思える。
完全に個人的見解だが、ガンで若死にした人やガンにかかった人、さらには我が身を振り返ってみると、人生に否応なく関わってくるさまざまな問題を、自分の身に抱え込んでしまうタイプの人は、ストレスにつぶされる。すなわち、ガンにもなりやすい。
反対に、諸問題を他人のせいにしたり、他に丸投げしてしまうタイプの方は、たくみにストレスから免れ、結果的にガンは背負い込まない。どうにも不条理だが、それがこの世の悲しい摂理だ。
仕事はもちろんのこと、気分転換になるはずの趣味やボランティア活動も、場合によってはストレスの要因になる。それは私自身が数多く体験している。
人と関わらず、仙人のような暮しをすればストレスから免れるかもしれないが、禁酒生活と同じで、そんな人生に魅力は感じない。ストレスのコントロールは現代人にとって大きな課題だ。
・ストレスによる大腸ガン発症比率=推定40%(特に5~6年前に複数の強いストレスの心当たりがある)
・今後の対策:我が性格は変えようがないので、仕事は自分のペースを守り、趣味やボランティア活動のあり方全般を見直す。ストレスの原因になりそうな場は極力避け、状況を作らぬよう心がける。
以上の結果をまとめると、仮説に基づく私個人の大腸ガン発症要因推定値は、
・飲酒10% ・食事10% ・運動不足10% ・遺伝形質30%
・ストレス40% (合計100%)
・ストレス40% (合計100%)
遺伝形質以外の要素を少しでも減らすことが、今後生き残るための大きな目標のようである。