魚売場で殻付きのホタテとイカがえらく安い。ふと思いついて、「BBQやる?」と妻に振ったら、すぐに乗ってきた。30度を超す暑さで風もない。平日だが、すでに毎日が日曜状態になるつつある我が身。思い立ったら即実行すべし、である。
焼き鳥やジャーマンウィンナーもついでに買い、妻が自分の小遣いでサッポロ黒ラベルの500ml缶を買ってくれた。月末限定の大盤振る舞いである。
夕方6時から炭を起こし、BBQ開始。海の幸が中心の海鮮BBQだが、何もかもが美味かった。暑い日はビールとBBQに限る。
一昨日のチカチカパフォーマンスのセルフレポには記さなかったが、実は私が2ステージ終えた直後のジャグラーの方のステージが、大変な苦戦だった。
ジャグラーの方と共演するときは、間違いなくジャグリングの集客が勝る。その比率ざっと2倍ほどか。ところが一昨日に限れば、時間帯はそう変わらないのにそれが逆転した。
理由はよく分からないが、客が少ないと気持ちも乗らないのか、芸も珍しくミスが続いた。そばで観ていてハラハラするほどで、いつものような「失敗をうまく芸に取り入れる」という余裕すらもないように思えた。
ミスが続くと途中で場を去る客も多くなる。パフォーマーはさらに気持ちが萎え、それは芸にも反映してしまう。完全なる悪循環である。そんな姿は初めて見たので、驚いたり妙な親近感を覚えたり、実に複雑な心境だった。
誰も聴き手がいないストリートライブを過去に何度も経験しているので、とても人事ではないが、ジャグリングの芸は○か×(成功か失敗)しかないので、ある意味では歌よりも厳しいと感じた。
よく考えると、私も第2ステージ冒頭で「誰も立ち止まらない」という恐怖を瞬間的に体験している。客は実に正直で、義理だとかお金などでしばられていないストリートでは、一瞬で芸に見切りをつけられてしまう。
その正直な反応が怖くもあり、また面白くもありで、ちょっと聴き手が増えたくらいで勘違いし、増長していては、すぐに足元をすくわれてしまうだろう。他の声に耳を傾け、冷静に自己分析し、問題点はすぐに修正し、日々の修練を怠らない。月並みだが、それにつきる。
繰り返すが、ストリートには天使と魔物の両方が棲息している。