2009年8月19日水曜日

静寂祝祭コンサート

 及川恒平さんとピアノのウォンウィンツァンさんによるコンサート、「静寂祝祭」に行ってきた。恒平さんのライブを聴くのは、実に2年ぶり。場所は札幌市の旭山公園近くにあるギャラリー門馬で、なんと3日連続でやるという。

 恒平さんの歌は自分のライブではよく歌わせていただくが、直に聴くと特にライブの構成など、非常に参考になる。ギャラリーという場の珍しさや、「静寂祝祭」という言葉の響きにも惹かれ、全部は無理でも、最初の1日くらいは見届けたいと思った。


 市内だが、交通の便は悪い。事前にGoogleMapで充分に下調べをし、旭山公園下の駐車場から歩いてすぐであることを発見。
 都心でプリンタのインクと用紙を買う必要があり、早めに家を出て、ヨドバシカメラで調達。その足で向かったが、会場到着は開演15分ほど前。民家を改造したギャラリーと聞いたが、家の内外は非常に斬新なデザインで統一されていて、感性をいたくシゲキされた。

 内部は傾斜地形を利用したスキップフロアーになっていて、ステージはその中程の階に設定されている。大きな傾斜天井の上段に2階があり、吹抜けを通してステージが見おろせるようになっているが、あいにくそこは満席。やむなく、ステージを数段降りた下の階でコンサートを聴いた。
 会場はほぼ満員で、聴き手はおよそ50人。古い顔見知りの方幾人かと出会い、開演前のわずかな時間に、懐かしい会話をひとしきり交わす。
 コンサートは恒平さんのギター弾き語りで、まず2曲。次にウォンさんのピアノが30分ほど休みなく続く。いくつかの曲をアドリブでつないだ演奏で、穏やかな大海の上をユラユラ漂っているような錯覚に陥った。


 15分の休憩後、ウォンさんの伴奏で、恒平さんが歌のみを8曲。ほとんどMCがなく、PAはあるにはあるが、高い位置の集音マイク2個のみ。スピーカーはごく小さなものが1個で、一切の無駄を省いた、実にシンプルでオーガニックな構成である。このスタイルと精神、ぜひ学ばねばならぬ。

 アンコールで「ほしのはだ」を歌い、あっという間の2時間が終わった。最後の数曲では、知らず知らず眼を閉じ、自分の左胸に手を置いて耳を傾けていた。国歌を共に歌い、そして聴くまさにあのスタイルである。そうせずにはいられない、胸に迫る荘厳さを感じた。
 記憶による第1日目のセットリストは、以下の通り。
(曲順等に多少のブレがあるかもしれません)

「雨が空から降れば」「地下書店」
「ピアノ即興」
「君は誰かな」「言って別れた」「水のカノン」「ララのテーマ」
「木が倒れた」「いのちかえす日」「とびら」「平原にて」
「ほしのはだ」