2009年3月11日水曜日

救いの神

 朝10時に新規の仕事の打合せがあったので、珍しく早く起きた。昨夜からまた厳しい寒さが訪れていて、路面が凍っている。早めに家を出たが、車の流れは悪い。先方に着いたら、10時を3分ほど回っていた。

 仕事はスポーツジムの4月からの新規会員募集に合わせた館内説明イラストで、何と合計3点もある。札幌市内にある施設だが、経営者は高校時代の同級生。ずっと会う機会はないが、けっこう仲はよかった。
 こちらはしがない一匹狼だが、相手は上場会社の社長。「世間的成功者」としては大きな差がついているが、まあ、それはよい。今回の仕事は直接もらうわけではないが、妙なところに縁があるものだ。もしかして、「救いの神」登場か?


 既存の施設なので、正確な図面の入手が難しいかもしれないが、簡単な案内図のようなものから、立体図をおこせるか否か確認された。もともとが設計屋だから、極端な話、何も図面がなくともイラスト(パース)は描ける。
 私が気になったのは、スポーツジム特有のトレーニングマシンで、プールや人間のデータは以前に作ってあるが、トレーニングマシンのデータは手持ちがない。案内図の入手がやや遅れるとのことで、ひとまず家に戻り、リハビリをかねて、このトレーニングマシンのデータ作成にとりかかった。

 まともに3D-CGを描くのは実に3ヶ月ぶりなので、なかなか感覚が戻らない。今朝は緊張からか、朝6時ころから目がさめてしまったので、集中すると頭がフラフラする。予備室のベットに横になったら、そのまま30分ほど眠ってしまった。

 妻が勤めから戻ったのを機に、コーヒーを飲んでもう一度作業にかかる。ようやくペースが戻ってきて、図のようなエアロバイクを1台作成した。参考にしたのは写真1枚だけで、ペダル部分だけは手持ちの自転車のデータを転用し、他のスケールはここから推測して決めた。この要領で、だいたいの物は作れる。
 17時を回ったが、月曜に依頼した製本業者からの連絡は相変わらずない。業を煮やし、ついにこちらから電話をかけた。すると、依頼先と実際の作業者とは別組織(いわゆる下請け)らしく、本体は昨日朝に届けてあるが、何も連絡がない。つまりは、技術的な問題はないのだと思う、との返答。
 思うでは困る、確認をとって欲しいと言うと、少したってから折返しの連絡がきた。結論から言うと、「万事OK」であった。

 製本前にプレス機で強い圧力をかけ、ソリを一時的にとってから処理するとのことで、末端の業者は、過去にこの種の製本をてがけた例があったらしい。安易に請け負って、あとで問題があってはと、担当者は言動に「保険」をかけたふしがある。
 ともあれ、損害はどうにか免れた。労苦は報われそうだ。やはり「便りのないのは良い知らせ」だったか。いやいやここにも「救いの神」が手を差し伸べてくれたのかもしれない。