2016年6月1日水曜日

声帯を早く起こす

 差出人のないメールが突然届いた。迷惑メールの類いではなく、携帯メールからのオリジナルCDの感想である。どうやらどこかで2枚セットで買ってくれた方らしい。
「どちらも素晴らしい。時間があると聴いているが、なぜか自然に涙が流れる。他にもCDを出していたら、ぜひ欲しい…」と、歌い手にとっては殺し文句の数々が並ぶ。

 記録を調べると、今年になって2枚セットで買ってくれた方は4名いる。すべて女性だが、(おそらくあの方だろう…)という漠然とした予感はあった。
 CDにはメールアドレスのみ記載してあるので、連絡を取る手段はメールしかない。しかし、知人以外でメール連絡をくれた方は今回が初めてだった。
 さっそく礼状をしたためる。すぐに返信があり、やはりチカチカパフォーマンスで買ってくれた方だった。地下通りを歩いていて、「声」に思わず惹きつけられたという。
 数回のやり取りがあり、ネットはやっていないので、次なるCDが出た場合や一般公開でのライブ予定があったら、携帯メール宛に連絡することを約束した。

 長く歌っていると実にいろいろな出会いがあるもので、最近は歌を介したこうした見ず知らずの方との出会いが、歌うことの動機づけのひとつになりつつある。


 今月は中旬に2つの依頼型ライブを控えているが、うちひとつが午前10時開始という、苦手な午前中ライブなのだ。地域高齢者を対象とした集いで、1時間という長丁場。15〜16曲を予定している。
 起き抜け直後は声帯がまだ眠っている状態なので、4時間前起床が理想。しかし、元来が夜型の私に、6時起床はまるで地獄だ。
 最近は3時間前起床でもどうにか声は出せるようになったが、それ以外にも声帯を早く正常復帰させる手段を模索中。

 ネット調査によると、体操が意外に有効らしい。声帯も身体の一部に違いないので、まず身体を正常に機能させよ、ということか。
 単純なボイストレーニングもいろいろ例があったが、「いきなり歌う」というのは、どうやらあまりいい手段ではなさそうだ。
 もうひとつのライブは、ネット経由で初めて依頼された障がい者施設からのもの。平均年齢が私よりも若い60歳ということで、何を歌うべきかずっと電話やFAXでのやり取りがこのところ続いてた。
 チカチカパフォーマンスで使っている315曲のリクエスト一覧を先方に送ってあったが、その中から絞りこまれた希望55曲がFAXで送られてきた。
 リストは大半が昭和歌謡系のJ-POPかフォークで埋まっていた。洋楽系は「カントリー・ロード」だけで、唱歌はゼロ。演歌も少なめで、12曲しかない。懐メロ系は皆無だ。

 チカホでの路上ライブとだいたい同じ傾向だが、ちょっと珍しいと感じたのは「さよなら大好きな人」。好きな歌だが、これまで一度もリクエストがなかった。
 こちらも1時間の長丁場なので、これからさらに16曲ほどに絞り込む作業が待っている。一任されているので、楽しい作業だ。