「もしもし」
すると、相手が一方的に喋り始める。
「こちらは…の調査です。コンピュータが無作為に選んだお宅へ…」
要するに音声自動ロボットによる参議院選挙・世論調査なのだった。さして興味もなく、あまりに一方的なので切ろうかと一瞬思ったが、短時間で済むとロボット(女声)がいうので、渋々つきあうことに。
投票に行くかとか、選挙区は誰に入れるか比例代表は?等々、一通りの質問が続く。回答は1〜0までの数字を押す仕組みだが、「質問の途中でも入力OK」などと冒頭で言っておきながら、実際には全部を聞き終えてからでないと、再入力させられた。
「男か女か?」などの二択質問なら、どうにか番号を覚えていられるが、政党がらみだと選択肢が10では足らず、「これ以外の政党の場合は、99を押してください」などと、番号を2桁で入力する必要があった。
うかうかすると、番号を忘れてしまう。
「男か女か?」などの二択質問なら、どうにか番号を覚えていられるが、政党がらみだと選択肢が10では足らず、「これ以外の政党の場合は、99を押してください」などと、番号を2桁で入力する必要があった。
うかうかすると、番号を忘れてしまう。
選挙の世論調査は学生時代にバイトで何度かやったが、当時は直接の面談が基本。電話、ましてや音声ロボットによる調査など、思いもしないことだった。
推測だが、この種の調査に真面目に応対する人は、限られているのではないだろうか。面倒な人、忙しい人は最初の段階で切ってしまうだろうし、操作が煩雑で間違った回答をしてしまう人も少なくないはず。特定の政党のシンパシーなら、絶好の機会と喜んで応ずるに違いないが。
「無作為調査」などといいつつ、こうしてはじき出される結果は、偏った歪んだものになっている気がしてならない。