2014年6月19日木曜日

全曲洋楽のチカチカ

 6月3度目のチカチカパフォーマンスに参加。中旬以降はライブ予定が立て込んでいるので、エントリーをためらっていたが、単身で札幌勤務中の長男のお嫁さんが、この日たまたま休暇。
「チカホでお義父さんの歌声を、ぜひ聴きたい」との要望がまずあり、試したいこともいくつかあって、急きょ歌うことにした。

 妻とお嫁さんは都心のイノダコーヒーで待ち合わせてカフェタイム。私だけが北4条広場へと向かい、まず第1ステージをこなして、その後広場で合流する手はずになった。

地下鉄東豊線さっぽろ駅から、北4条広場までの長い道

 この日の共演も小樽のギタリスト、浜田隆史さん。私の出番は14時30分過ぎからで、前半は「英語圏の洋楽」と特化した切り口で、25分で8曲を歌う。(※はオリジナル訳詞)

「Without You※」「イエスタディ※」「小さな竹の橋の下で」「夢路より」「Top of the World※」「End Of The World※」「悲しき願い」「ヘイ・ジュード※」
 8曲中実に5曲がオリジナル訳詞という、極めて特異な構成となり、一般受けはしにくいものと覚悟して臨んだが、予想通り反応は薄かった。しかし、一度はこんなライブをストリートで仕掛けてみたかった。最近の第1ステージはハズレが多いので、試すにはよい機会である。
 さらにこの日は、人通りが普段よりも一段と少なく感じられた。連続14日間という記録的な長雨で、人々の外出の足が鈍っていたのかもしれない。

 とはいいつつ、「小さな竹の橋の下で」「悲しき願い」「ヘイ・ジュード」では、立ち止まって聴いてくれる人が数人いた。理由は定かではないが、「たまたまその曲が好きだった」ということだけかもしれない。

 終了後、ただちに浜田隆史さんのステージが始まったが、私のラストのMCで、その旨案内したこともあり、「ヘイ・ジュード」で立ち止まった方数人が、浜田さんのステージにそのまま移動した。
 浜田さんも心得て、冒頭で同じビートルズを数曲弾く。聴き手を曲でつないだ形となり、非常にうまく場に収まった。共演も数を重ねると、こんなバトンタッチも自然にこなせるようになる。


 その後、15時30分過ぎから第2ステージ開始。「世界の歌」を切り口に、30分で9曲を歌った。(※はオリジナル訳詞、◎は初披露)

「ボラーレ※◎」「カントリー・ロード」「オー・ソレ・ミオ」「セ・シ・ボン◎」「愛の讃歌」「恋はやさし野辺の花よ」「夕凪ワルツ(オリジナル作詞)」「ラ・ノビア」「ブンガワン・ソロ」

 国の内訳は順に、伊、米、伊、仏、仏、オーストリア、ルーマニア、チリ、インドネシアである。
 歌い始めたとたん、6人の小学生らしき男女に囲まれた。臆せずマイクそばまで近寄ってきて、興味深そうに聴いている。構成は完全に大人向けだったが、「ボラーレ」は麒麟淡麗のCMで長く使われている曲なので、子供でも耳障りはよかったかもしれない。
 歌い終わると盛大な拍手をくれたので、思わず声をかけたら、道北の小学校の修学旅行だという。横には引率の先生も確かにいる。(6年生が6人だけの小さな学校のようだった)

 路上ライブは初めて見るらしく、何もかもが珍しげだ。これも社会学習のひとつに違いないと思い、急きょ路線を変更して、予定にはなかった「カントリー・ロード」を歌った。
 歌の間ずっと手拍子で応援してくれ、途中でデジカメで撮影する子もいて、さらに盛り上がる。何事かと集まってくる人が増え始め、その中に妻と長男のお嫁さんの顔も見えた。引率の先生がすかさず私の背後に回り、そんな子供たちの楽しげな様子を撮影する気配。

 終わると、ていねいに挨拶をくれて去っていった。一生に一度しかない修学旅行での、偶然の出会いとふれあい。互いに記憶に残る貴重なひとときとなった。
 その後、路線を元に戻して続行する。家族が聴き手としてずっと見守っているので、ある種の「サクラ役」となったのは間違いなく、第1ステージとは打って変わって、最後まで人の集まりはよかった。
「ストリートライブでは2人が立ち止まると、それにつられて人が増え始める」と、どこかに書いてあったが、当たっているかもしれない。

 17曲全てを洋楽で通すという、チカチカパフォーマンスでは初めてとなる大冒険を試みたが、それでも場の反応自体に大きな変化はなかった。日本の歌をやめたわけではないが、時に好きなスタイルで自由気ままにやるのも、方向としては間違っていないことを学んだ。