月初めの猛暑から一転し、梅雨のような空模様が延々続いていたが、すでに暦は6月中旬で、札幌では初夏の幕開けを告げる北海道神宮祭が始まっている。歌は夏らしいものを中心に準備した。
14時から誕生会のイベントが15分ほどあり、その後私の余興となった。およそ35分で12曲を歌う。
「憧れのハワイ航路」「青春サイクリング」「夏の思い出」「ちゃっきり節(初披露)」「知床旅情」「バラが咲いた」「東京ドドンパ娘」「瀬戸の花嫁」「われは海の子(歌いながら歌詞指導)」「ケ・セ・ラ・セラ」「花~すべての人の心に花を」「りんごの木の下で」
肌寒い陽気で、衣装には直前まで迷った。長袖シャツの上にカーディガンをはおり、シャツ襟の外にストールを巻いて、同系色のバンダナでまとめてみたが、いざ歌い始めると、少し暑さを感じた。自宅でのリハではちょうどよかったので、どうやら弱い暖房が利いていた感じだ。
歌い慣れた施設だが、足掛け8年も定期的に通っていると、顔ぶれもゆっくりと変わってゆく。転勤移動のある職員さんたちはもちろんだが、入居者の顔ぶれも例外ではない。見慣れた顔がふっと消えていたりもする。自分の親のことを考えれば分かるが、むしろ変わって当然で、それが人生というものだろう。
とはいえ、ずっといつも同じ席で熱心に聴いてくださる方も確かにいて、歌いながら目で語りかけると、頬笑みをそっと返してくれたりする。長く歌っていると、こんなことも喜びのひとつである。
「毎度同じ歌」というパターンを避けたい気持ちもあって、今回は普段あまり歌わない曲もかなり入れた。
「青春サイクリング」「ちゃっきり節」「東京ドドンパ娘」「ケ・セ・ラ・セラ」「りんごの木の下で」あたりがそれで、多少不安がないでもなかったが、思っていたよりも反応はよくて、安心した。
特にMCでお願いはしていなかったが、会場から自然に歌声が流れてきた曲も複数あった。
「夏の思い出」「知床旅情」「バラが咲いた」「瀬戸の花嫁」「われは海の子」「ケ・セ・ラ・セラ」あたりがそれで、叙情的な歌がいつも好まれる場なので、ほぼ予想通りの展開である。
ただ、「ケ・セ・ラ・セラ」を一緒に歌う声が聞こえてきたときは、正直驚いた。介護施設では初めて歌ったが、全体の1曲程度なら、この種の曲も今後許されると自信を持った。
終了後、数人の入居者の方から声をかけていただく。「いつもよい歌をありがとうございます」「また歌いにきてくださいね」「次はもっと古い歌もぜひお願いします」等々。
好意的な中にも、今後のライブへの要望もちゃんと入っている。ありがたいことだ。確かに、バタ臭さが過ぎたかもしれない。次回にむけての反省としたい。