2014年4月6日日曜日

宅飲み珈琲

 最近、カフェで珈琲を飲む機会がパタリと減った。理由はいろいろあって、持病の不整脈に珈琲がよくないらしい、という理由がまずある。しかし最も切実なのは「高い」から。
 私の知る限り、最も安い店で1杯400円。他は450~500円といったところ。まずくはないが、抜群の味というほどでもない。店の雰囲気はまずまずだが、飲んでいて至福な気分に浸れる、というほどでもない。
 つまり、わざわざ交通費をかけて飲みに行くより、自然素材に囲まれた我が家の堀りゴタツに座って、オリジナルTOMブレンドの珈琲を自分で入れて飲むほうが面倒がなく、雰囲気もそれなりで、味もカフェに決して引けをとらない、ということなのだ。

 何かのついでに定期的に立ち寄るカフェもあるにはあったが、こちらもその「ついで」の状況が相次いで変化してしまい、足が遠のく別の要因になってしまった。
 近ごろ外で飲む珈琲は、ケーキ等を頼めば無料で何杯でも飲める近所の六花亭か、イオン系のスーパー内などで安く飲めるテナント珈琲くらい。やはり決め手は価格ということに落ち着くが、これくらいシビアに暮らしていないと、厳しい経済環境下で年間100万円生活など、とても無理な相談だ。
 珈琲の不作と新興国の需要が重なり、珈琲豆の価格が一気に培近くになり、街のカフェの珈琲が軒並み50円ほど値上がりしたのは、3年前のこと。
 この時期、スーパー店頭の珈琲豆も一斉に値上がりしたが、私がよく行くトライアルやイオンでは、価格はずっと据え置きだった。このあたり、両者が消費税増税分を消費者に転嫁せず、実質的値下げに踏み切った背景に通じている。

 気になって最近の珈琲価格を調べてみた。すると、ほぼ元に戻っているではないか。(参考:「世界経済のネタ帳~コーヒー豆価格の推移」→カフェの珈琲豆は大半がアラビカ種)
 しかし、珈琲豆高騰を理由に一斉値上げに踏み切ったカフェの珈琲が値下げした、という話は耳にしない。上げる時は自らの都合で素早く上げ、原料が下がったときは知らぬふり、では通用しない。
(その後調べてみたら、値下げした店を首都圏でいくつか発見)

 ありがたいことに、消費者が選べる状況が、かろうじて日本社会には残っている。当分は1杯10円強で飲める宅飲み珈琲がメインになりそうだ。