2014年4月16日水曜日

最も強い2度目の依頼

 隣区にある介護施設誕生会余興に出演。昨夏にネット経由で依頼され、やはり誕生会で歌っている。自分としては、やや不本意な出来だったので、2度目の依頼があったときは正直うれしかった。
 当時のライブレポを読み返し、反省点を慎重に修正して準備した。

 場所は自宅から車で25分。先方の指定通り、14時ちょうどに着いた。ステージが設けられた専用ホールがある恵まれた施設だが、特別養護老人ホームとデイサービスの利用者が半々という構成で、対象の絞り込みが難しい。


 予定ぴったりの14時30分に開始。最初に施設側のイベントがあり、生ピアノ演奏での「誕生日の歌」を全員で歌う。14時36分から私のステージが始まった。

 聴き手はおよそ100人。前回、音が届きにくい印象がしていたので、この日は機材を一部変え、ミキサーの代りにエフェクター(ZOOMのRFX-300)を経由して、メインPA(ローランドCM-30)につないだ。
 自宅で充分にテストを重ねてはいたが、実戦で使うのは初めて。しかし、前回よりは音の響きが優っているように感じ、歌いやすかった。
「アンコールを含めて、演奏時間は30分を厳守してください」と、事前に念を押されていたので、電子譜面内蔵の時計を確認してからスタート。ぴったり30分で以下の11曲を歌った。

「北国の春」「花(滝廉太郎)」「真室川音頭」「リンゴの唄」「瀬戸の花嫁」「幸せなら手をたたこう」「みかんの花咲く丘」「おかあさん(森昌子)」「ここに幸あり」「花 ~すべての人の心に花を」「丘を越えて(アンコール)」


 前回は慣れないステージと予想外の大空間、30度近い暑さ、難しい聴き手の構成などの悪条件下で、かなりの苦戦を強いられたが、今回は2度目ということもあってか、ステージに立ってみると会場が狭く、そして明るく感じられた。気持ちに余裕があった証しであろう。
 全体的に場が大人しい印象が前回したので、無理に盛り上げようとせず、淡々と誠実に歌うよう努めた。

 今回のプログラムは1週間前にFAXで送信し、事前了解を得たもの。曲目と曲順は印刷されて会場に配られている。進行時間の件といい、緻密な運営姿勢を感じる。
 4曲目の「リンゴの唄」はプログラムの裏に歌詞が印刷されていて、全員で歌うという趣向。5曲目の「瀬戸の花嫁」と7曲目の「みかんの花咲く丘」は前回と重複しているが、手応えがよかったので、あえて歌った。


 最初は大人しかった場も、順に会場を見回しつつ歌い進むうち、じょじょに反応がよくなってきた。「幸せなら手をたたこう」は時に外してしまうこともある歌だが、予想外にみなさんが乗ってくれた。

 ラストの「花」では、後奏の部分で「本日はありがとうございます、みなさま、これからもどうぞお元気でお過ごしください」と、ギター音に重ねて挨拶。ここで場が一気に湧いた。
 以前に自主企画ライブのラストで、「ヘイ・ジュード」の曲に重ねてやった技だが、介護施設では初めての試み。前日にふと思いついたものだが、これは使える。
 前半で少しMCを入れすぎたせいか、後半で時間が押してきた。間奏などでうまく調整し、ラストの「花」を歌い終えた時点で時計は15時3分。開始27分が経過していて、打合せ通り「アンコール3分」を残した。
 終わって舞台袖にいた進行のNさんを見ると、期せずして会場から「アンコール!」の声。打合せでは、Nさんからアンコールを出すことになっていたが、予想外の展開である。しかし、アンコールには違いないので、準備してあった「丘を越えて」をありがたく歌わせていただく。

 周到な準備のかいあって、出来は前回を凌いでいたと思う。全員とは言いがたいが、喜んでくださった方も多数いて、手応えを感じた。「最も強い2度目の依頼」を無事に乗り切ったので、「高くて険しい3度目の依頼」も夢ではない気がする。