2011年11月22日火曜日

日本人が求める歌

 札幌駅前通地下歩行空間での3度目のチカチカパフォーマンスを無事に終えた。都心でも最高気温がわずか0.5度という、ほとんど真冬なみの寒気が街を襲っていたが、幸いに小雪がちらつく程度で風はない。
 今回も妻には休暇をとってもらった。13時ちょうどに家を出て、車を会場真上の交差点に止めて機材を降ろす。寒いので妻とは事務局の入っているビル内のロビーで待ち合わせることにする。

 いつもの駐車場に車を停め、10分後に妻と合流。事務局に寄ってパフォーマンス用の看板を受け取り、同時に日報にも記入した。


 前回と同じ14時10分から第1ステージ開始。寒い日が続き、地下通路の通行も普段よりは少ない感じがした。この日は知人が二人聴きにきてくれた。力まずに歌うよう気をつけたが、はたしてどうだったか。
 これまでと同じパターンで第1ステージでは世界の叙情歌を中心に、40分で以下の13曲を歌った。

「ろくでなし」「オー・ソレ・ミオ」「パダン・パダン」「詩人の魂」「恋人よ」「想い出のソレンツァラ」「ラ・メール」「帰れソレントへ」「さくらんぼの実る頃」「夢路より」「オールドブラックジョー」「庭の千草」「奥様お手をどうぞ」
 後半に指がつってしまった前回を反省し、前回よりも3曲減らしたが、構成はがらりと変えた。街にうっすら雪が積もったこともあり、晩秋から冬にかけての曲を集めた。
 前回との重複は「詩人の魂」「さくらんぼの実る頃」「庭の千草」の3曲のみ。「想い出のソレンツァラ」「恋人よ」「帰れソレントへ」「オールドブラックジョー」の4曲が初披露である。


 通行人が少なめだった割には、集客はまずまず。当初の予定では「シューベルトのセレナーデ」を初めて歌う予定でいたが、その場の雰囲気から難しいと咄嗟に判断し、飛ばした。
 この判断が正解だったか否かは分からない。しかし、流れる場では自分の直感に従うしかない。

 14時50分に第1ステージを終了したが、ずっと聴いてくれていた見知らぬ中年婦人が近寄ってきて声をかけてくれた。聞けば前回も通りすがりに私の歌う姿を見かけたが、急ぎの用事があって聴けなかったという。
 どこかのお店でライブはやらないのですか、もしやるならぜひ聴きにいきたいので教えて欲しいと彼女はいう。あいにくソロライブは2週間前に終えたばかりで、当分予定はないと伝えると、たいそう残念がっていた。
 前回も同じような話があり、同じように名刺を渡しておいたが、この場が一期一会で終わるべきなのか、はたまた何かしらの新しいつながりが生まれるものなのか、判断に苦しむところである。
 聴きにきてくださった知人のNさんと話が弾み、休憩がつい長くなって15時15分から第2ステージ開始。日本の叙情歌を中心に、40分で以下の14曲を歌った。

「千の風になって」「切手のないおくりもの」「てぃんさぐぬ花」「夜汽車」「砂山」「雪の降る街を」「ペチカ」「白い想い出」「冬の星座」「冬景色」「月の砂漠」「浜千鳥」「北の旅人」「銀色の道」

 後半も前回とは構成をがらり変え、冬のイメージの曲をずらり並べた。純粋な唱歌といえる「ペチカ」あたりからじわじわと人が増えてきて、「冬の星座」あたりでは20人近い人が聴いてくれた。
 前回も感じたが、とにかく唱歌は受け入れられる。老若男女を問わず人が集まってくる。いまの日本人の心が強く求めているのかもしれない。終了後に知人のNさんも指摘していたが、シャンソンやクラシックを歌う人は結構いるが、唱歌を専門に歌う人は極めて少ない、とのこと。確かにそうかもしれない。
 12月は多くの場で歌わせていただけることになっている。今回の結果を大いに参考にしたい。