昨夜未明まで急ぎの仕事に追われていたが、10時過ぎに次なる仕事の図面がFAX送信されてきたのを機に起きだし、ほぼ毎月の定例行事になっている寝具一式、つまりはタオルケットやシーツ、枕カバーやパジャマなどをまとめて洗濯した。
以前にも書いたが、私と妻とは生活時間帯が大きくズレており、寝具の洗濯はめいめいが自己責任で行う取り決めになっている。
妻は早朝に起きて自分の寝具一式を適当な時期に洗い、私は私で日にちを少しずらして(干すスペースの関係で)同じ作業をやる。ついでに洗濯カゴに溜まっている洗濯物も一緒に洗うが、しょせんは機械が勝手にやってくれることなのでたいした手間ではなく、相手に依存しない「自立する夫婦」という意味では、これが望ましい形であろう。
その妻は友人との会食で帰りが遅くなるというので、洗濯のあとは一人黙々と仕事に励んだ。朝食、昼食と一人で作って食べ、午後のお茶も一人で入れて…、と思っていたが、予想以上に仕事がはかどり、予定分が終わりそうな感じになってきた。
16時近くまで休みなしでがんばり、ほぼ片づいたので、近所のO珈琲に出かけてお茶を飲むことにした。
いつもは往復5キロを歩いて行くが、なにせ病み上がりの身である。急な運動は禁物なので、車で近くのスーパーにまず行き、買物のあとに駐車場に車を置いてそこから歩くことにした。往復2キロで、程よいリハビリコースである。
雪祭りのせいなのか、店は週末というのに珍しく客が一人だけだった。マスターとあれこれ雑談を交わすうち、店のBGMに耳慣れたメロディが流れた。
「マスター、これ、シューベルトの『ます』ですよ」
ピアノだけだったが、目下練習中の曲なので、すぐにピンときた。内外の歌曲をあれこれ練習中であることを伝えると、マスターがオペラ系の歌曲集CDを取り出してきて、買ってはみたが、店のBGMとしては使いにくいので、良かったら貸してあげますよ、という。
まだほとんど聴いてないような真新しいCDだったので、お借りするのは遠慮したが、「帰れソレントへ」「マンマ」など、マニアックな内容満載である。