実はこの辞典の最初のバージョンは42年前の1968年に発売されている。名前は「新世紀大辞典」とほぼ同じだが、当時の定価が3,800円もした。カレーライスやラーメンが50円の時代だから、いまなら軽く3万円の価値はあった。
当時は大学受験に失敗し、自宅浪人をしていた。新聞配達をして参考書や自分の衣類を買っていたが、その最初のバイト代のほぼすべてをはたいて、この辞典を買った。
いま思えばよくぞ買ったものと感心するが、とにかく辞典の類いが大好きで、知識にいつも飢えていた。百科事典は無理だが、これなら何とか買えた。以降、かなり手垢にまみれたが、いままでずっと大切に使い続けてきた。この辞典で多くのことを知り、多くのことを学んだ。
11年前になって、その最新バージョンが出ると聞き、当然ながら欲しくなった。買って31年も経つと、さすがに書かれている内容は古びてくる。
しかし、当時は一戸建て住宅への移転計画の真っ最中。極端に予算がなく、わずか6,800円が惜しかった。しかし、新聞広告の切り抜きだけは大切に保管してあった。
最近になって始めた事務合理化の作業中、古いスクラップを整理していて、この切り抜きがひょっこり出てきた。以前は無理だったが、いまならネットオークションで安く手に入るかもしれない…。これが今回の入手経緯である。
辞典類は1階食卓南側にあるベンチ兼用本棚の、すぐ手の届く場所に各種並べてある。本棚を少し整理して場所を確保し、新旧2冊の大辞典が、仲良く並んだ。
テレビや新聞がらみで疑問点が浮かぶと、すぐさま横の辞典を取出し、調べる。長い間身についた習慣である。
1階に1台パソコンを置き、その都度起動させてネット検索することも考えたが、いまのところやっていない。パソコンとネットは2階に限定し、1階は会話重視のアナログの聖地として、当面は残しておくつもりでいる。